“あしあと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
足跡45.0%
足痕40.0%
足迹3.8%
跫音2.5%
足趾1.3%
脚痕1.3%
足音1.3%
趾跡1.3%
跫跡1.3%
1.3%
蹤跡1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大唐西域記に依れば、お釈迦様の足跡あしあとが今も摩掲陀国に遺っているが、足の長さが一尺八寸、廣さが六寸、両足に輪相があるとしてある。
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あいや、あまりお騒ぎなさらぬ方が得策でしょう、かりそめにも天下の首城が、一盗賊に足痕あしあとしるされた事さえ名誉ではありません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「木戸を開けて表へ出ると、大きな馬の足迹あしあとの中に雨が一杯たまつてゐた。」(「永日小品」の「蛇」)
文芸鑑賞講座 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
荒いのとやわらかなのと、急ぐのと、入乱れた跫音あしあとを立てて、七八人。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじふりかへつたときかれ打棄うつちやつたふねしづんだきりへだてられてえなかつた。かれ蜀黍もろこしからうて足趾あしあとしたがつてはるか土手どて往來わうらいた。きりが一ぺんれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しな田圃たんぼからあがるまへ天秤てんびんおろしてひだりまがつた。自分じぶんいへはやしとのあひだにはひと足趾あしあとだけの小徑こみちがつけてある。おしなその小徑こみちはやしとの境界さかひしきつて牛胡頽子うしぐみそばたつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
よって又一を先導として、餘作同道にてウエンベツざんに登る。川を渉り、或は沿岸を往き、或は樹間或は湿地を通行するに、熊の脚痕あしあと臥跡ふしあとあり。漸く進んで半腹はんぷくに至るに、大樹の多きに驚けり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
尚牛馬の多く群れたるを遥に見つつ河をわたる。(斗満川)。川畔かわばたに牛馬の脚痕あしあとの多きを見る。あらたに柵を以て囲めるを見たり。ここに至りて尚うれし。進んで少し登りてくに、樹間に小屋を見る。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
あの水松いちゐしたで、長々なが/\よこになって、このほらめいたうへひたみゝけてゐい、あなるので、つちゆるんで、やはらいでゐるによって、めばすぐ足音あしあときこえう。
そこには熊の趾跡あしあとがあった。それから、小さい、何か分らぬ野獣の趾跡が到るところに印されていた。よもぎが雪におおわれていた。灌木かんぼくの株に靴が引っかかった。二人は、熱病のように頭がふらふらした。
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
一条細い道が跫跡あしあとにかためられて、その間を、彼方の山麓まで絶え絶えについている。ざらざらした白っぽい巌の破片に混って硫黄が道傍で凝固していた。
白い蚊帳 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
微細のあしあとを認め音響を聞き分くるといえるは、牝犬が牡よりは細心甚だしく、盗人防禦ぼうぎょにもっとも適すると同義らしいが、牡馬もまたかかる能あるはほぼ前に述べた。
人々山にんで往来し、山に蹤跡あしあとが多かったがために、ヤマトと云うのだとか、大和には太古草昧の世、未だ屋舎あらず、人民ただ山に拠っていたが故に、ヤマトと云うなどと説明しているが
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)