足趾あしあと)” の例文
勘次かんじふりかへつたときかれ打棄うつちやつたふねしづんだきりへだてられてえなかつた。かれ蜀黍もろこしからうて足趾あしあとしたがつてはるか土手どて往來わうらいた。きりが一ぺんれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しな田圃たんぼからあがるまへ天秤てんびんおろしてひだりまがつた。自分じぶんいへはやしとのあひだにはひと足趾あしあとだけの小徑こみちがつけてある。おしなその小徑こみちはやしとの境界さかひしきつて牛胡頽子うしぐみそばたつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでも其處そこにはもう幾度いくたびふねがつけられたとえて足趾あしあとらしいのが階段かいだんのやうにかたちづけられてある。勘次かんじ河楊かはやなぎえだけて他人ひと足趾あしあとんだ。えだがざら/\とかれござれてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)