“蓬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よもぎ79.3%
おどろ10.8%
おど2.7%
ほう1.8%
きたな0.9%
くさ0.9%
ほお0.9%
ほほ0.9%
もちぐさ0.9%
ヨモギ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり菊の根には菊がさき、よもぎの根には蓬しか出ぬと、孤雲の七郎は、旧主の子と、範宴とを心のうちで較べて、さびしい気がした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
干潮かんてうときるもあはれで、宛然さながら洪水でみづのあとのごとく、何時いつてた世帶道具しよたいだうぐやら、缺擂鉢かけすりばちくろしづむで、おどろのやうな水草みづくさなみ隨意まに/\なびいてる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
驚きしも宜なりけり、蒼然として死人に等しき我面色、帽をばいつの間にか失ひ、髮はおどろと亂れて、幾度か道にてつまづき倒れしことなれば、衣は泥まじりの雪によごれ、處々は裂けたれば。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
女亭主かみさんほうけた髪を櫛巻くしまきで、明窓あかりまどから夕日を受けた流許ながしもとに、かちゃかちゃと皿を鳴して立働く。炉辺には、源より先に御輿みこしを据えて、ちびりちびり飲んでいる客がある。二階には兵士の客もある様子。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
果せるかなくだんの組はこの勝負にきたなき大敗を取りて、人も無げなる紳士もさすがに鼻白はなしろみ、美き人は顔をあかめて、座にもふべからざるばかりの面皮めんぴかかされたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「何かお慰みにと、初春はるくさなど探させました。甘味は干柿の粉を掻き溜めたもの。甘葛あまずらとはまた風味もかくべつ違いますので」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤原経邦の如きに至っては、はじめ快飲を示していたけれど、とうとう心身共にほおけてしまい、げろを吐いて窮声喧々という有様だ。
酒渇記 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
砂ぼこりふとほほけだち
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
尤も、草餅と言つても、もちぐさのたりない都では田舍で食べるほど青いシコ/\としたのは出來ません。
スギ」「ハギ」「ヤナギ」「ヨモギ」「過ぎ」などの「ぎ」には(乙)類の文字を用いて、その間に区別がある。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)