“くさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クサ
語句割合
44.3%
24.1%
20.9%
1.6%
1.3%
0.7%
腐敗0.7%
0.5%
0.5%
雑草0.4%
0.4%
0.4%
枯草0.4%
腐蝕0.4%
0.4%
0.2%
薬草0.2%
卑下0.2%
0.2%
悪臭0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
腐爛0.2%
腫物0.2%
0.2%
0.2%
蘗草0.2%
0.2%
0.2%
飼糧0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茫然ぼんやりしてると、木精こだまさらふぜ、昼間ひるまだつて用捨ようしやはねえよ。)とあざけるがごとてたが、やがいはかげはいつてたかところくさかくれた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まがつた社會しやくわい正當防衞せいたうばうゑいくさつたなか大清潔法だいせいけつはふ、それらを完全くわんぜんちか執行しつかうするには、死刑しけいおほ利用りようするよりほかにないとかんがへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
妙法寺の境内けいだいに居た時のように、落合の火葬場の煙突がすぐ背後に見えて、雨の日なんぞは、きなくさい人を焼くにおいが流れて来た。
落合町山川記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
おれの著物は、もうすっかりくさって居る。おれのはかまは、ほこりになって飛んで行った。どうしろ、と言うのだ。此おれは、著物もなしに、寝て居るのだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
いろいろの花をつないだくさの糸は、湖のまわりを一まわりしてもまだ余るほどで、はては広い野原のくさにかくれて見えなくなっております。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
彼はこう答えるが早いか、途方とほうもなく大きいくさめをした。
彼 第二 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
死んでいるのもあれば、腐敗くさってしまっているのもある。ゆえに書を学ぶ者にとっては、貝の表面だけである書家の書であってはならないのである。
仏蘭西の監獄が不整頓ふせいとんで不潔で、囚人の食事が粗悪で分量が少く、どの点から見ても日本の監獄以下であるという事や、何くれとなく仏蘭西をくさした話ばかりした。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そのわがまゝのとほらぬこともあるまじきなれど、らきは養子やうし身分みぶん桂次けいじはつく/″\他人たにん自由じゆううらやみて、これからのすゑをもくさりにつながれたるやうにかんがへぬ。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
風浴みてしき雑草くさなるみづひきとゑのこぐさとを活けて笑みたり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
お島はこの順吉から、父親が自分の嫁振を蔭でくさして、不平を言っていることなどを、ちょいちょい耳にしていたが、それはその時で、聴流しているのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
幅三十町、長さ五十町ほどの荒れ野原のっぱらの一部分だった。萩とかや野茨のいばらばかりのくさの中に、寿命じゅみょうを尽くして枯れ朽ちた大木を混ぜて、発育のいい大葉柏がまばらに散在していた。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
水のやうに枯草くさをわたる風の流れと
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
根太も柱も腐蝕くさっている屋敷である。一堪りもなく壁土が崩れて、又八は全身に泥をかぶった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君はまた、平家方をくさすのか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仏蘭西フランスの写実派には興味を持っても、人生本位の露西亜の小説はジメジメして陰気だとくさし、その頃からツルゲネフやトルストイを推奨した私を外道げどうと呼び
私が何とかいってくさすと、今までと打って変って反対あべこべに、「それは君、君は誤解している。紅葉はんな男じゃない。君、今度は十分肝胆を披瀝ひれきして話して見給え、」とにわかに紅葉の弁護を做初しだした。
つまりその隙にお祖母様は、薬草くさ切りで可遊の背後から手を回して刺したのでしたし、それから何も知らずに気を失っている小式部を絞め上げるのは、何の雑作ない事では御座いませんか。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
絞め付けられて苦しくない人間なんて、この世に又とあろうもんかな。それから、可遊さんの方は、小式部さんから二、三尺程横の所で、これは、左胸に薬草くさ切りを突き立てていたんだがね。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「わしあねはお内儀かみさん、ろくでなしですかんね」かれぢてさうして自分じぶん庇護かばふやうにあねといふのを卑下くさしてひがんだやうな苦笑くせうあへてした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
違います……そのハンボン・エキスのくさい事というたなら鼻毛が立枯れする位で、それを工合良うビール瓶に詰めて、長崎の仏蘭西フランス人に売りますと、一本一万円ぐらいに売れますなあ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あとまだ一里あまり、この身体からだ引摺ひきずって帰った処で、井戸の水さえ近頃は濁って悪臭くさし……七十を越えた祖母ばあさんが、血を吸う蚊の中に蚊帳もなしに倒れて、と思うと
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歴史は意味なきペーヂの堆積にあらず、幾百世の国民は其が上に心血を印して去れり、骨は朽つべし、肉はくさるべし、然れども人間の心血が捺印なついんしたる跡は、之を抹すべからず。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
何処を見ても、眼を遮るようなものがなくて、ただ、このくされ果てた空屋敷の跡には夕靄がぼんやりと白くかかっているばかりであった。
過ぎた春の記憶 (新字新仮名) / 小川未明(著)
元来ムクゲは昔中国から渡った外来の灌木で、七くさの一つとしてはけっしてふさわしいものではない。また野辺に自然に生えているものでもない。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
馬にはくさを飼い、兵は朝の兵站へいたんせわしない。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
永代橋えいたいばし上流かみに女の死骸が流れ着いたとある新聞紙の記事に、お熊が念のために見定めに行くと、顔は腐爛くさってそれぞとは決められないが、着物はまさしく吉里が着て出た物に相違なかッた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
その他、つまらんようなことですが、足にマメができたとか、あるいは頭に腫物くさができたとかいうときには、俗に「馬」という字を三つ書くとなおると申します。
妖怪学一斑 (新字新仮名) / 井上円了(著)
大后の幸でませる故は、奴理能美がへる蟲、一度はふ蟲になり、一度はかひこになり、一度は飛ぶ鳥になりて、三くさかはあやしき蟲二七あり。
「何かお慰みにと、初春はるくさなど探させました。甘味は干柿の粉を掻き溜めたもの。甘葛あまずらとはまた風味もかくべつ違いますので」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また『西域記』十二にいにし瞿薩旦那くさたな国王数十万衆を整えて東国の師百万をふせぎ敗軍し、王はいけどられ将士みなごろしにさる、その地数十けい血に染みて赤黒く絶えて蘗草くさなしと見ゆ、南インド
自分の列車は幾年いくとせ雨風にたたかれて真赤に錆びくさった廃線の上を死物狂いに突進している! 車輪は錆びた鉄路の上で物すごい叫び声を発して行く!
まあ、十人が十色のことを言つて、けなしたりくさしたりする、たまに蓮太郎の精神をめるものが有つても、寧ろ其を肺病のせゐにしてしまつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
兵は、飯をかしぎ、馬に飼糧くさをやっている。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)