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朽
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くさ
ふりがな文庫
“
朽
(
くさ
)” の例文
「庇の上は苔もそっくりして居るし、人間の歩いた様子もありません。
朽
(
くさ
)
った板屋根だから、忍び込んだ
曲者
(
くせもの
)
を突き飛ばせば、足跡位は残りますよ」
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おれの著物は、もうすっかり
朽
(
くさ
)
って居る。おれの
褌
(
はかま
)
は、ほこりになって飛んで行った。どうしろ、と言うのだ。此おれは、著物もなしに、寝て居るのだ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
その低い、
朽
(
くさ
)
つて白く黴の生えた窓庇とすれ/\に、育ちのわるい
梧桐
(
あをぎり
)
がひよろ/\と植つてゐる。
哀しき父
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
こわれた家のため街路に残った空地は、五本の標石でささえられてる
朽
(
くさ
)
った
板塀
(
いたべい
)
で半ば占められている。板塀の中には、まだ倒れないでいる廃屋によせかけて作った小さな板小屋が隠れている。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「部分的には
朽
(
くさ
)
っているとこもあるが、大丈夫でしょう」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
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ところであの中二階の
朽
(
くさ
)
つた手摺に飛び付いて、樂々と出入りの出來るのは、猫の子か角兵衞獅子か、躰術の名人だ。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は
剥
(
は
)
げた
一閑張
(
いつかんばり
)
の小机を、竹垣ごしに狭い通りに向いた
窓際
(
まどぎは
)
に
据
(
す
)
ゑた。その低い、
朽
(
くさ
)
つて白く
黴
(
かび
)
の生えた
窓庇
(
まどびさし
)
とすれ/\に、育ちのわるい
梧桐
(
あをぎり
)
がひよろ/\と植つてゐる。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
へエ、それくらゐの輕業が出來る奴なら、
離屋
(
はなれ
)
の中二階の
朽
(
くさ
)
りかけた手摺に飛び付いて、樂に忍び込めるわけで——
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ワクの
朽
(
くさ
)
つた赤土の崖下の蓋のない堀井戸から、ガタ/\とポンプで汲み揚げられるやうになつてゐて、その上が寺の湯殿になつてゐた。若い女の笑ひ聲なども漏れてゐることがあつた。
哀しき父
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
「庇の上は
苔
(
こけ
)
もそつくりしてゐるし、人間の歩いた樣子もありません。
朽
(
くさ
)
つた板屋根だから、忍び込んで曲者を突き飛ばせば、足跡くらゐは殘りますよ」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ワクの
朽
(
くさ
)
つた赤土の崖下の
蓋
(
ふた
)
のない掘井戸から、ガタ/\とポンプで
汲
(
く
)
み揚げられるやうになつてゐて、その上が寺の湯殿になつてゐた。若い女の笑ひ声なども漏れてゐることがあつた。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
「庇が
朽
(
くさ
)
つて、苔だらけだ。人間が踏めば直ぐわかるよ、——だが、念のために、窓の下と、桐の根許を見てくれ。人間の足跡か、梯子を掛けた跡があればしめたものだ」
銭形平次捕物控:205 権三は泣く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朽
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
“朽”を含む語句
朽木
老朽
朽果
不朽
朽葉
朽木倒
朽葉色
朽目
朽尼
腐朽
朽草
朽樹
朽沈
万古不朽
朽縁
朽敗
錆朽
朽沼
長栄不朽
朽舟
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