“朽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
81.9%
くさ6.0%
くち6.0%
1.3%
くちき1.3%
ぐさ0.7%
グサ0.7%
きう0.7%
くた0.7%
クサ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くだん古井戸ふるゐどは、先住せんぢういへつまものにくるふことありて其處そこむなしくなりぬとぞ。ちたるふた犇々ひし/\としておほいなるいしのおもしをいたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「庇の上は苔もそっくりして居るし、人間の歩いた様子もありません。くさった板屋根だから、忍び込んだ曲者くせものを突き飛ばせば、足跡位は残りますよ」
さるほどに親族うからおほくにもうとんじられけるを、くちをしきことに思ひしみて、いかにもして家をおこしなんものをと左右とかくにはかりける。
ながれは其麼どんなやまひにでもよくきます、わたし苦労くらうをいたしましてほねかはばかりにからだれましても半日はんにち彼処あすこにつかつてりますと、水々みづ/\しくなるのでございますよ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼の毒菌のしふに生じ、冷燄のくちきに燃ゆるが如き、倐生忽滅して、常無きものは、其の愈〻新にして愈〻取るに足らず、愈〻奇にして、愈〻道ふに値せざるを見るのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其際、山田寺の旧構を残すため、寺の四至の中、北の隅へ、当時立ちぐさりになって居た堂を移し、規模を小くして造られたもの、と伝え言うのであった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
其際、山田寺の旧構を残すため、寺の四至の中、北の隅へ、当時立ちグサりになつて居た堂を移し、規模をチヒサくして造られたもの、と伝へ言ふのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
民も又戦国の民なれば、一三六すきててほこへ、一三七農事なりはひをこととせず。士たるもの枕を高くしてねむるべからず。今のさまにては長く不きうまつりごとにもあらじ。
心にも素直すなほに身をば守らせて人といふ名をくたさずもがな
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
おれの著物キモノは、もうすつかりクサつて居る。おれのハカマは、ほこりになつて飛んで行つた。どうしろ、と言ふのだ。コノおれは、著物もなしに、寝て居るのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)