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朽
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くち
ふりがな文庫
“
朽
(
くち
)” の例文
さるほどに
親族
(
うから
)
おほくにも
疎
(
うと
)
んじられけるを、
七
朽
(
くち
)
をしきことに思ひしみて、いかにもして家を
興
(
おこ
)
しなんものをと
八
左右
(
とかく
)
にはかりける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
その人かげのあとから、
幾年
(
いくねん
)
も
朽
(
くち
)
つんだ
落葉
(
おちば
)
をふんで、ガサ、ガサと、歩いてくる者があった。
小具足
(
こぐそく
)
をまとった
武士
(
ぶし
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
重なり合い折れ
朽
(
くち
)
ている雑草の上を
黝
(
く
)
すんだ空気が、
飄々
(
ひょうひょう
)
と流れ、
彷徨
(
さまよ
)
うのを鈍い目で追跡し、ヤッと手を伸ばせば、その
朽草
(
くちくさ
)
の下の、月の
破片
(
かけら
)
が
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
處
(
ところ
)
を、
君達
(
きみたち
)
、それ
見
(
み
)
よ
春家
(
はるいへ
)
。と、
袖
(
そで
)
を
去
(
さ
)
る
事
(
こと
)
一尺
(
いつしやく
)
ばかり。
春家
(
はるいへ
)
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
は
朽
(
くち
)
し
藍
(
あゐ
)
のやうに
成
(
な
)
つて、
一聲
(
ひとこゑ
)
あつと
叫
(
さけ
)
びもあへず、
立
(
た
)
たんとするほどに
二度
(
にど
)
倒
(
たふ
)
れた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日本の文語に於ける假名遣と云ふもの、此の韁は決して
朽
(
くち
)
て用に堪へぬ樣になつて居るのでは無い、まだ十分力のあるものだと云ふことを自分は信じて居ります。
仮名遣意見
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
自然は自己の造化を捨てず、神は己の造りしものを
軽
(
かろん
)
ずべけんや、彼の
体
(
たい
)
は
朽
(
くち
)
しならん、彼の死体を包みし麻の
衣
(
ころも
)
は土と化せしならん、しかれども彼の心、彼の愛、彼の勇
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
牝牡
(
めすをす
)
同
(
おなじ
)
く
穴
(
あな
)
に
蟄
(
こも
)
らず、
牝
(
めす
)
の子あるは子とおなじくこもる。其
蔵蟄
(
あなごもり
)
する所は大木の
雪頽
(
なだれ
)
に
倒
(
たふ
)
れて
朽
(
くち
)
たる
洞
(
うろ
)
(なだれの事下にしるす)又は
岩間
(
いはのあひ
)
土穴
(
つちあな
)
、かれが心に
随
(
したがつ
)
て
居
(
を
)
る処さだめがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
揃
(
そろ
)
へ何故と申儀
確
(
しか
)
と存じ候はねども
常々
(
つね/″\
)
老母
(
らうぼ
)
が我々に申候には嫁が
孝行
(
かうかう
)
に致して
呉
(
くれ
)
るは
嬉
(
うれ
)
しけれども生甲斐なき我が身が居るゆゑ孝行なる嫁に
苦勞
(
くらう
)
を
掛
(
かけ
)
老先
(
おいさき
)
の有者を此儘に
朽
(
くち
)
さするは
憫然
(
あはれ
)
なり是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我れは
此
(
この
)
まゝ
朽
(
くち
)
はてぬとも、せめては此子を世に出したきに、いかにもして今
一
(
ひと
)
たび戻りくれよ、長くとには非ず今五年がほど、これに物ごゝろのつきぬべきまでと、頼みつすかしつ
歎
(
な
)
げきけるが
琴の音
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
灰色に
鬱々
(
うつうつ
)
とした雲は、
覆
(
おお
)
いかぶさるように空を
罩
(
こ
)
め、細い
白茶
(
しらちゃ
)
けた
路
(
みち
)
はひょろひょろと足元を抜けて、
彼方
(
かなた
)
の
骸骨
(
がいこつ
)
のような冬の森に消えあたりには、名も知らぬ雑草が、重なりあって折れ
朽
(
くち
)
ていた。
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
朽
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
“朽”を含む語句
朽木
老朽
朽果
不朽
朽葉
朽木倒
朽葉色
朽目
朽尼
腐朽
朽草
朽樹
朽沈
万古不朽
朽縁
朽敗
錆朽
朽沼
長栄不朽
朽舟
...