“洞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほら48.6%
うつ17.1%
うつろ9.1%
どう6.3%
うろ6.3%
あな3.4%
ほこら3.4%
1.1%
とお1.1%
ほらあな1.1%
あきら0.6%
くきの0.6%
とう0.6%
ホラ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金眸は朝よりほらこもりて、ひとうずくまりゐる処へ、かねてより称心きにいりの、聴水ちょうすいといふ古狐ふるぎつねそば伝ひに雪踏みわげて、ようやく洞の入口まで来たり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
行灯あんどん丁字ちょうじが溜まって、ジ、ジと瞬きますが、三人の大の男は瞬きも忘れて、互の顔を、二本の徳利を、うつろな眼で見廻すのです。
もみの木である。此境内にたつた一本ある樅の木である。口碑から云へば百五十年以上の老木である。根元のうつろに、毎年熊蜂が巣を作る。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
そして各二万を三手に分かち、三どうの元帥と称する者——金環結きんかんけつを第一に、董荼奴とうとぬを第二に、阿会喃あかいなんを第三に備えて、待ちかまえているという。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしの近所には木のうろに住んでいる人間がいた。彼の態度は真に王者のふうがあった。わたしはむしろ彼をおとずれた方がよかった。
阿鼻叫喚あびきょうかんこだました。谷間へ這い下り、あなにかくれ、木へ逃げ登りなどした山徒も、稲の害虫をころすように狩りつくされた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてこの黄色い顔に、ほこらのような眼をした陰気な老人は、突かれては転びながら、次第に岩城いわしろさして近づいてくるのである。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
目も及ばざる広庭の荒たきままに荒果てて、老松ろうしょう古杉こさん蔭暗く、花無き草ども生茂りて踏むべきみち分難わけがたし、崩れたる築山あり。水のれたる泉水あり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『起世因本経』二に転輪聖王てんりんじょうおう世にづれば主蔵臣宝出でてこれに仕う、この者天眼を得地中をとおし見て有王無王主一切の伏蔵をるとあるから
美女達はその手を取ってほらあなの中へ入ったが、歓び笑う声が一頻ひとしきり聞えてきた。紇は巌の陰で合図のあるのを待っていた。と、美女の一人が出てきて
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
人徒らに目を以て有字の書を読む、故に字にかぎられて、通透することを得ず。さに心を以て無字の書を読むべし。乃ちあきらかに自得あり。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
〔譯〕がく自得じとくたふとぶ。人いたづらに目を以て有字の書を讀む、故に字にきよくし、通透つうとうすることを得ず。まさに心を以て無字の書を讀むべし、乃ちとうして自得するところ有らん。
松の露うけて墨する雲のホラ。硯といふも、山のイシくづ﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)