“岨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そば76.5%
そわ8.8%
そは5.9%
そへ2.9%
はば2.9%
ソバ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金眸は朝よりほらこもりて、ひとうずくまりゐる処へ、かねてより称心きにいりの、聴水ちょうすいといふ古狐ふるぎつねそば伝ひに雪踏みわげて、ようやく洞の入口まで来たり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いつの間にか跫音を忍ばせて、そわにテロルを加えた赤ら顔の水兵上りの看守が金網に胸をおっつけてこっちを覗いている。
刻々 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
河は迂回うくわいして海にそそいでゐるので、そはの下では甘い水とからい水とが出合つてゐるのである。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
天皇は吉野を出て宇治の奥、田原里で、里人の情のき栗・ゆで栗をカタ山のそへに埋めて、わが身栄ゆるものならば、此栗生え出る様に、とうけひ給うたら、栗が生え出した。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
清潔きれいずきで、身綺麗だった祖母に愛されたとはいえ、祖母はもう七十三歳にもなっていたので、抱きかかえての愛ではなく、そしてまた、祖母の昔気質から、もろもろのことをはばまれもしたり
幾すぢかの谿を行きつめた山の入りから、更に、うなじを反らして見あげる様な、ソバの鼻などに、さう言ふ村々はあつた。殊に山陽カゲトモ丘根ヲネの裾を占めて散らばつた、三河側の山家は寂しかつた。
山のことぶれ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)