“山岨”の読み方と例文
読み方割合
やまそば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実は、この段、ささやき合って、ちょうどそこが三岐みつまたの、一方は裏山へ上る山岨やまそばの落葉のこみち。一方は崖を下る石ころ坂の急なやつ。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大鋸おおがのひびきも斧の音もきこえず、馬鈴薯じゃがいも辣薤らっきょうか、葉っぱばかりさやさや揺れているしんとした山岨やまそばの段々畑から派手なような寝ぼけたような歌ごえが聞えてくるというのは
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ひとりゆくこの山岨やまそばは落葉のみ溜り湿しめれり。落葉踏みつつ行けば、いづく飛び鵯高音うつ。かさこそり、くぬぎの枯葉わがかたへまた声立てぬ。日おもての草崖薄くさがけすゝき、その穂にも落葉かかれり。