“貴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうと38.3%
たっと23.0%
たふと7.8%
あて6.3%
たか6.3%
たつと4.7%
2.0%
たっ1.6%
あで1.6%
アテ1.2%
ムチ0.8%
とう0.8%
たつ0.8%
たつとき0.8%
タット0.8%
0.4%
たうと0.4%
たっとき0.4%
たふとき0.4%
とお0.4%
とほと0.4%
0.4%
アデ0.4%
タフト0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると新羅しらぎ使者ししゃの中に日羅にちらというとうとぼうさんがおりましたが、きたないわらべたちの中に太子たいしのおいでになるのを目ざとく見付みつけて
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
現界の富強をこいねがわず、神界の福楽を欣求ごんぐする鼻をたっとぶあつまりは、崇高幽玄、霊物を照破する鼻に帰依して財宝身命を捧げました。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さま/″\の力そのかすたふとき物體(力のこれと結びあふこと生命いのちの汝等におけるが如し)と合して造る混合物まぜものいつならじ 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
豊雄、はじめより都人のあてなる御方とは見奉るこそ一一一かしこかりき。一一二鯨よる浜に生立おひたちし身の、かくうれしきこと一一三いつかは聞ゆべき。
かのみたりの女、姿にきはのさらにすぐれてたかきをあらはし、その天使の如き舞のしらべにつれてをどりつゝ進みいでたり 一三〇—一三二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かねの有る奴で評判のえものは一人も無い、その通じやが。お前は学者ぢやからおのづから心持も違うて、かねなどをさうたつといものに思うてをらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「おい猪の、おらがゐるのがさんには見えんのか。」と、旦那は猪之介の背中から怒りの聲を浴せかけた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ただ平岡と事を決する前は、麺麭パンの為に働らく事をうけがわぬ心を持っていたから、嫂の贈物が、この際糧食としてことに彼にはたっとかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ういういしいわか葉もろとも、おのおのしたくしてあった、色鮮かに、意匠もとりどりの、しかし揃ってあでやかな花冠をかざし列ね、お日様をしたって
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
このアテな娘は、やがて後をふり向いて、山のなぞへについて、次第に首をあげて行つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
丹波道主ムチの家から出る「八処女ヤヲトメ」の古い姿なのである。此神女は、伊勢に召されるだけではなかつた。宮廷へも、聖職奉仕に上つてゐる。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いわゆる扶桑ふそう伝説はすなわちこれで、多分は太陽の海を離るる光景の美しさとうとさから、導かれたもののごとく私たちは推測している。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たゞ平岡と事を決する前は、麺麭パンために働らく事をうけがはぬ心を持つてゐたから、あによめ贈物おくりものが、此際このさい糧食としてことに彼にはたつとかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
○そも/\金銭のたつときこと、魯氏ろし神銭論しんせんろんつくしたれば今さらいふべくもあらず。としの凶作はもとより事にのぞんうゑにいたる時小判をなめはら彭張ふくれず、うゑたる時の小判一枚は飯一わんの光をなさず。
「古語にいう。——シュタットケレバ臣栄エ、主憂ウル時ハ臣辱メラルと。弟には弟の主君あり、私には私の主君がありますから」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「およしだって、んたは私になんでも御よしと云う事は出来ないと思ってらっしゃい。エエそうだ私は世の中の男をおどしてビックリさせて頓死させるために生れて来たんですもの——」
お女郎蜘蛛 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
たまか、黄金こがねか、にもたうと宝什たからひそんで、群立むらだつよ、と憧憬あこがれながら、かぜ音信たよりもなければ、もみぢを分入わけいみちらず……あたか燦爛さんらんとして五彩ごさいきらめく、天上てんじやうほしゆびさしても
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昔孔子は富とたっときとは人の欲するところなりと言われたが、黄金万能の今日の時勢では、富者すなわち貴人である。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
たすくる人はなくとも雪さへきえなば木根きのね岩角いはかどとりつきてなりと宿へかへらんと、雪のきゆるをのみまちわび幾日といふ日さへわすれ虚々うか/\くらししが、熊は飼犬かひいぬのやうになりてはじめて人間のたふとき事を
何ものか見えないものに守護されているとおとさがあふれていた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
いざ汝して知るべし、人うけがひて神また肯ひかくして誓ひ成るならんには、そのいととほときものなることを 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
今まで何百ツて云ふい月給を頂いて居らつしやいましたのが、急に一文なしにおなりなすつたのですから、ほんとに御気の毒の様で御座いましたがネ、奥様が、貴郎あなた厳乎しつかりして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
だから、クハの家に、奴隷ヤツコになつて住みこんだイニシヘアデびともあつた。娘の父にこき使はれて、三年五年、いつか處女に會はれよう、と忍び過した、身にしむ戀物語りもあるくらゐだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
名犬ハ税トシテモタフトマレ、一匹ノ価、百貫ヲ呼ブモアリ、武門コトゴトク、犬ヲ繋ギ、犬ニ仕へ、日、暮ルレバ又、宴楽アルノミ。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)