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貴
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たっ
ふりがな文庫
“
貴
(
たっ
)” の例文
ただ平岡と事を決する前は、
麺麭
(
パン
)
の為に働らく事を
肯
(
うけが
)
わぬ心を持っていたから、嫂の贈物が、この際糧食としてことに彼には
貴
(
たっ
)
とかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人を見る目も出来れば人の価値も信実もわかってくる。
阿諛
(
あゆ
)
と権謀の周囲で、離れてはじめて
貴
(
たっ
)
とさのわかるのは
真
(
まこと
)
だけだ。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ただ
貴
(
たっ
)
とい名家の手にならないのが
遺憾
(
いかん
)
であるが、心の中はそう云う種類の
画
(
え
)
と同じく簡略にでき上っているとしか僕には受取れなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は自分で学校生活をしているにもかかわらず、兄の日曜が、いかに兄にとって
貴
(
たっ
)
といかを
会得
(
えとく
)
できなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母子
(
おやこ
)
は生れて以来の母子で、この
貴
(
たっ
)
とい観念を傷つけられた
覚
(
おぼえ
)
は、
重手
(
おもで
)
にしろ
浅手
(
あさで
)
にしろ、まだ経験した試しがないという考えから、もしあの事を云い出して
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
敬太郎は
前後
(
あとさき
)
を
綜合
(
すべあ
)
わして、何でもよほど
貴
(
たっ
)
とい、また大変珍らしい、今時そう
容易
(
たやす
)
くは手に入らない時代のついた
珠
(
たま
)
を、女が男から
貰
(
もら
)
う約束をしたという事が解った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分が持っていた時よりは、たしかに十倍以上
貴
(
たっ
)
とい品のように
眺
(
なが
)
められただけであった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
貴
常用漢字
小6
部首:⾙
12画
“貴”を含む語句
貴方
貴人
貴女
貴婦人
貴様
貴殿
貴下
貴族
高貴
貴郎
貴重
貴公
貴嬢
貴所
貴所方
貴君
富貴
貴僧
貴樣
貴孃
...