“貴人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あてびと26.8%
きじん22.0%
きにん22.0%
ウマビト9.8%
うまびと7.3%
アテビト4.9%
あでびと2.4%
あなたがた2.4%
アデビト2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は得度とくどしがたき悪魔として女人にょにんを憎んでいるらしく、いかなる貴人あてびとの奥方や姫君に対しても、彼は膝をまじえて語るのを好まなかった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それは先年せんねん西海せいかいはて崩御ほうぎょあらせられた貴人きじん御霊みたまであったが、それを拝すると共に眼前めさきくらんで馬から落ちたのだと云う噂であった。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
智力思想の活溌高尚なることは王侯貴人きにん眼下がんか見下みくだすと云う気位きぐらいで、ただ六かしければ面白い、苦中有楽くちゅううらく苦即楽くそくらくう境遇であったと思われる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
奴隷ヤツコたちは、とやかくと口さがないのが、其爲事よ。此身とお身とは、おなじ貴人ウマビトぢや。おのづから、話も合はうと言ふもの。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
奴隷やつこたちはとやかくと、口さがないのが、其為事よ。此身とお身とは、おなじ貴人うまびとぢや。おのづから話も合はうと言ふもの。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
づうと這ひ寄つて來た身狹乳母ムサノチオモは、郎女の前に居たけを聳かして、掩ひになつた。外光の直射を防ぐ爲と、一つは、男たちの前、殊には、庶民の目に、貴人アテビトの姿をサラすまい、とするのであらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
昔から物語の本にもある、屋のむねへ白羽の征矢そやが立つか、さもなければ狩倉かりくらの時貴人あでびとのお目にとまって御殿ごてん召出めしだされるのは、あんなのじゃとうわさが高かった。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親しいもののために手軽くつくる炊事の楽しさと共に、男や、貴人あなたがたの知らない心地であろう。
づうと這ひ寄つて來た身狹乳母ムサノチオモは、郎女の前に居たけを聳かして、掩ひになつた。外光の直射を防ぐ爲と、一つは男たちの前、殊には、庶民の目に、貴人アデビトの姿をサラすまい、とするのであらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)