“御霊”のいろいろな読み方と例文
旧字:御靈
読み方割合
みたま63.2%
ごりょう23.7%
ごりやう5.3%
ゴリヤウ2.6%
ゴラウ2.6%
ミタマ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは先年せんねん西海せいかいはて崩御ほうぎょあらせられた貴人きじん御霊みたまであったが、それを拝すると共に眼前めさきくらんで馬から落ちたのだと云う噂であった。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
十年ほど前に御霊ごりょうの文楽座を覗いた時には何の興味もかなかった要は、ただその折にひどく退屈した記憶ばかりが残っていたので
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
或日さる方の御邸で名高い檜垣ひがき巫女みこ御霊ごりやういて、恐しい御託宣があつた時も、あの男は空耳そらみゝを走らせながら、有合せた筆と墨とで、その巫女の物凄い顔を
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
農村を荒さないやうに御霊ゴリヤウの一種になつてゐた曾我殿原トノバラの霊をイハひ鎮める、——念仏狂言にも近いものを行つて居たものであらう。
芸能民習 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此は柳田国男先生も既に言はれた、佐倉宗吾などの怪談も、宗五郎と言ふ名の発音が御霊ゴラウを聯想させたからだと言ふ説は、動すことの出来ぬ学説になつてゐる。
芸能民習 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
常世神の来訪を忘れて了ふ様になると、春来る御霊ミタマ歳神トシガミ歳徳様トシトクサマなど言ふ、日本陰陽道特有の廻り神になつて了うた。さうして肝腎の霊祭りは秋が本式らしくなつた。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)