“斎”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
とき29.8%
いつ24.6%
イハ8.8%
いは6.1%
いつき4.4%
4.4%
さい3.5%
イツ2.6%
いみ2.6%
へや2.6%
いわ1.8%
かしず1.8%
ものいみ1.8%
0.9%
きよ0.9%
つつま0.9%
0.9%
イツキ0.9%
モノイミ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市九郎がしばしの暇をぬすんで、托鉢の行脚に出かけようとすると、洞窟の出口に、思いがけなく一椀のときを見出すことが多くなった。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
卯月八日を山登りの日とする習慣は至って広く行われているらしいが、その外にも山にいつかかる有名な社にこの日を祭日とする例は多い。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
農村を荒さないやうに御霊ゴリヤウの一種になつてゐた曾我殿原トノバラの霊をイハひ鎮める、——念仏狂言にも近いものを行つて居たものであらう。
芸能民習 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
次手ついでに云うと、この歌の一つ前に、「あしひきの山椿やまつばき咲く八峰やつを越え鹿しし待つ君がいはづまかも」(巻七・一二六二)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「いつか斎宮いつきのみやへおいでの折、ちょうど来あわせていたのでございました。いつききみとその母子とは、冷泉家れいぜいけの歌の同門だそうでして」
此系統から行くと、正月飾るものは、皆の木である。餅花・花の木・繭玉・若木・物作りの如きは、枝が沢山出て居るから、花の代りになる。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
○吾が郡中ぐんちゆうにて小千谷をぢやといふ所は人家じんか千戸にあまる饒地よきとちなり、それゆゑにさいの神の(斎あるひは幸とも)まつりも盛大せいだいなり。
枚岡ヒラヲカイツヒメにあがる宿世スクセを持つて生れた者ゆゑ、人間の男は、ハジく、弾く、弾きとばす。近よるまいぞよ。はゝはゝゝ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さきに一五二女の命をうばひ、うらみなほきず。足下そこの命も旦夕あさゆふにせまる。此の一五三鬼世をさりぬるは七日さきなれば、一五四今日より四十二日が間、戸をてて一五五おもき物いみすべし。
桑はひどくおそれて歯の根もあわずにわなわなと顫えた。妓もそれを見てあとしざりして帰って往った。隣の男は翌朝早く桑のへやへ往った。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その尼のために小祠を立て、いわい込んだが毎度火災ありてたたりやまずと。尼がかく詛うたは、宿主の悪謀を、その妻がいさめたというような事があった故であろう。
この婿君をかしずくことに大臣は生きがいを感じていた。たまさかにもせよ婿としてこの人を出入りさせていれば幸福感は十分大臣にあるであろうと見えた。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
当時道家には中気真術と云うものを行うならいがあった。毎月朔望さくぼうの二度、予め三日のものいみをして、所謂いわゆる四目四鼻孔云々うんぬんの法を修するのである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
御室みもろ三輪山みわやまれば隠口こもりく初瀬はつせ檜原ひはらおもほゆるかも 〔巻七・一〇九五〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
きよめの置き台の上に載せられてあるのを見て、山ではこうした植物の新鮮な色を見ることで時の移り変わりのわかるのがおもしろいと女房たちが言っているのを
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
加ふるに東雲しののめのむらさきと、夕映のくれなゐとは、波を彩り、いさごにうつり、もろもろの麗はしき自然の配色は恣に変幻するがごときも、しかもつつましくこれを渚の弧線の上に繋ぎて
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
早稲の贄を饗応する為のみだから、「贄へ斎み」の義で、にひなめ・にふなみ・にへなみ・にはなひなど言うたのである。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此方コチラも藤原同様、叔母御がイツキ姫で、まだそんな年でない、と思うてゐるが、又どんなことで、他流の氏姫が、後を襲ふことにならぬとも限らぬ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日のモノイミ天道テンタウを祀るものなるべく「千早ふる卯月八日は吉日よ、かみさげ虫の成敗ぞする」
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)