“ものいみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モノイミ
語句割合
物忌63.2%
斎忌10.5%
10.5%
潔斎5.3%
物斎5.3%
齋戒5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
禁厭まじない祭祝さいしゅく祓除はらいよけ、陰陽道、物忌ものいみ鬼霊きりょう占筮せんぜいなど、多様な迷妄の慰安をもたなくては、生きていられない上流層の人々だった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎖国でひま多かりしゆえにもあるべけれど、要は到る処神社古くより存立し、斎忌ものいみの制厳重にして、幼少より崇神の念を頭から足の先まで浸潤せることもっともその力多かりしなり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
仏法が我が国に伝わり、殺生を忌み、血腥い事を嫌う様になっては、すでに大宝令にもものいみの間臨時に肉を避けるという事もあったけれども、それはただ臨時の禁であった。
「エタ」名義考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
新野しんやの居城に、歳暮や歳旦さいたんを迎えているまも、一日とて孔明を思わぬ日のない玄徳は、立春の祭事がすむと、卜者ぼくしゃに命じて吉日をえらばせ、三日の潔斎ものいみをして身をきよめた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまはもはや今夜一晩で物斎ものいみも終るところまできたので、とりわけかたく謹慎してすごすうちに、やがて夜明けの空がしらじらとあかるくなった。
君が良人は寺院の垣の内に籠りて日夜苦行し、復た滿城の士女狂せるが如きを顧みず、其心には、あはれ我最愛の妻も家に籠りて齋戒ものいみするよとおもふならん。さるを君は何の心ぞ。