“禁厭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まじない71.8%
まじなひ7.1%
きんよう5.9%
きんえん3.5%
おまじない2.4%
まじな2.4%
まじの2.4%
まじ1.2%
まじねえ1.2%
ものい1.2%
タブー1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、禁厭まじないをいいながら、馬春堂の吹いてころがした吸殻すいがらの火玉を、煙管の先で追いかけたが、雁首がんくびでおさえるとジーッといったので
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
転んでも死なない禁厭まじなひになるといふところからださうだが、坂の多い其の附近には、瓢箪屋が多かつたが、この三年坂のが中にも大きかつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
あるいは縁起、あるいは禁厭きんよう、あるいは方位、あるいは時日の吉凶を知らんがために、多少の金銭を投ずるはやはり安心税なり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
禁厭きんえんをまじないやむるとんでいるのは古いことだ。神代じんだいから存したのである。しかし神代のは、悪いこと兇なることを圧しむるのであった。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ああ見ていたとも、私が禁厭おまじないをしてあげたから何とも無かったんですわ。危ないことね。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
禁厭まじなってもらいなどするものか! 貧乏だと思って皆が、じめるからこんなことになってしまったんじゃあないか!
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「お慈悲じゃ。」と更に拝んで、「手足に五寸釘を打たりょうとても、かくまでの苦悩くるしみはございますまいぞ、おなさけじゃ、禁厭まじのうて遣わされ。」
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
禁厭まじねえしめしせえすりや奇態きてえだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
未開土にはまたもっと素朴な原始教そのままの祟りとか、禁厭ものいみとか、仏罰神威などが、盲信されていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
好きものの岩太郎にとって、永久に禁厭タブーであるらしい存在だったことです。
銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)