“まじない”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
禁厭43.0%
呪禁16.2%
禁呪16.2%
9.9%
厭勝2.8%
呪咀2.1%
呪詛2.1%
2.1%
1.4%
咒咀0.7%
兕法0.7%
厭伏0.7%
呪法0.7%
呪縛0.7%
咀咒0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「こやつ、わしを老人と見て侮っておるな! ようし! それならば消えて失くなるようにお禁厭まじないしてやるわ。そこ退くなッ」
マンは信心深く、神仏をよく祭ると同時に、さまざまの呪禁まじないを行うことに長じている。今、マンが奇怪な行動をしたのも、その呪禁の一つだ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
たとえば食卓では、ナイフ、十字に組合したフォーク、客の数、ひっくり返ってる塩入れなどがあって、災難を避けるために沢山の禁呪まじないをしなければならなかった。
彼は夫婦仲好のまじないと云って誰でも探すと笑いつゝ、松にじ上り、松葉の二つい四本一頭にくくり合わされたのを探し出してくれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もろもろ厭勝まじないを行いその侵入をふせぎ、田畠には彼が作物を損じに来る時、その眼と面を傷つくるよう竹槍をひそかに植うる。
花魁の位牌とさかずきをしてくれたらば、若草が成仏するだろう、わしうらみも晴れるというのですが、是は田舎気質の婆さんだから屹度きっと晴れるかも知れませんよ、お呪咀まじないさえ利きますから
や、また塗った塗った、その顔は何だい、まるで白粉おしろいで鋳出したようだ。厚きこと土蔵くらの壁に似たりよ、何の真似だろう、火にけぬというお呪詛まじないかも知れねえ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いったい昔から生蕃が出草(首伐り)するのには、例えばまじないのためであるとか、仇敵関係に在る他種族に復讐するためであるとか、狩場の争いのためとか、いろいろな理由がある。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
東海の黄公少時げんを能くし蛇や虎を制するに赤金刀をぶ、衰老の後飲酒度を過ぐ、白虎が東海にあらわれたので例の赤刀を持ちまじないに行きしも術行われず虎に食われた
あるいは咒咀まじないをしたり、あるいは人のために幸福しあわせを祈ったりしますので、時によると人に害を加える悪い咒咀をして人を殺すような祈祷もするというのがチベット人の信仰である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その秘密祈祷は仏教上からやったのでなくって、ポン教の法によって法王を殺すところの咒咀まじないを行い、その出来上った咒咀の紙をくつの台に詰め込んで、法王に良い履を拵えて上げたそうです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
急に幕内うちへ入って母に向いあのラマは私共が宿を貸さなかったのを怒って悪い兕法まじないを唱えて我らを殺すか病気にするような行いをして居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
市へ往って売卜えきしゃにみてもらいますと、若い男の方にお願いして、厭伏まじないをしていただくと、きっと良くなると言われました、もし良くなりましたら、きっとお礼をいたします
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と云って、羽田の悪酒を詰めるでもありませんから、船中ではありでもかじりましょう。食いさしを川の中へ捨てると、蝕歯むしばの痛みがとま呪法まじないでね
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
のみならず、あわてて詰所を出た時か、大切なおりんの呪縛まじないの紙を紛失しているのに気がついた。
娼「アヽあやまった/\、親切にお咀咒まじないをしてあげて怒られちゃア堪らないねえ、今夜は外にお客がなく伊之さんとねえ」