禁呪まじない)” の例文
禁呪まじない、祈祷、占い、何んでも効験が無いことは無いというので、主の梅仙女、近頃は一部の人達から神様のように信仰されて居ります。
たとえば食卓では、ナイフ、十字に組合したフォーク、客の数、ひっくり返ってる塩入れなどがあって、災難を避けるために沢山の禁呪まじないをしなければならなかった。
雛競い拾う間に禁呪まじないを誦してその妖を止めた(ハズリット、一巻三一三頁)、アフリカまた妖鶏談あって、一六八二年コンゴに行ったメロラ師の紀行に、国王死後二人あって相続を争う
「輪飾りを引っくり返したり、障子を裏返しにすると、何かの禁呪まじないになるでしょうか。今年は流行病はやりやまいがありそうだからとか何とか」
「親分、これや一体何の禁呪まじないで——、長いこと、一緒に仕事をしているが、捕物に出かける前に、酒なんか飲んだことはありませんぜ」
「何でもないよ、——身に覚えのない者は、あれを見ても何とも思わないが、すねに傷持つ奴は、あわてて飛んで来る禁呪まじないが書いてあるのさ」
あきれたもんだ——家は借家でも、火の車には悩まされ続けでしょう。こいつも火伏せの禁呪まじないでどうかなりゃしませんか」
「手前気が弱くてそんなつまらねえ事を考えるんだ。待ちな、俺が結構な禁呪まじないを教えてやる。今晩あの平太夫の前で、あの娘を嫁にくれと言ってみるんだ」
武士の魂たる両刀を、脅迫観念の禁呪まじないのせいにしてしまったのは、まさに八五郎の新哲学だったのです。
その内に、崇巌院に出入する程の人達から、此の頃女修験者の梅仙女は、若い武士と眼に余る淫楽に耽って、祈祷も禁呪まじないもろくにしてくれないという噂が伝わりました。
「チェッ、はばかりながら娘っ子けの禁呪まじないに小唄をやっているんだ。心配して貰いたくねえ」
赤崎才市は、んな事を言って、クルリと背を見せるのでした。「待っておくんなさい、旦那、あっしの首を取って何んの禁呪まじないになるんで、懐には百だってありゃしませんよ」
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「隣の空家の二階ですよ。店中の者が飛んで行ったが、曲者は待ってはいません。窓のところに、何の禁呪まじないか知らないが、赤い手絡てがらほどの布が、ヒラヒラと下がっていたそうで」
三十年も鳴らして来た石原の利助の名も、老衰と病気で近頃はしゃっくりを止める禁呪まじないにもならず、近いうちに十手捕縄をお取上げになるだろうといううわささえ立っているのです。
「じょ、冗談でしょう。八卦や禁呪まじないでそんな事が手軽に判るわけはねえ」
「十八九の美しい新造が、この禁呪まじないのお狐を買って行かなかったかえ」
酒井博士はチラと顧みて、名記者のおもてに筆止めの禁呪まじないを投げかけます。
悪魔の顔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「胸のすく禁呪まじないなんか知らないよ。もっとも腹の減ることならうんと知ってるぜ。幸いお天気が良いから畳を干そうと思っているんだ。気取ってなんかいずに、尻でも端折はしょって手伝って行くがいい」
「解ったか、八、あの女は馬鹿か豪傑か、でなければ腹の中に容易でない屈託があるんだ。それも並大抵のことではない、女が願い事が叶うという禁呪まじないのおコンコン様を捨てて行くのは容易じゃない」
「ところで、玄関の上にブラ下げた瓢箪ひょうたんはありゃア何の禁呪まじないです」
「虫歯の禁呪まじないか何んかだろう、お前此間頬をらして居たぜ」
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「栗飯の受取なんざ、禁呪まじないにもなるめえ」
「昼行灯はなんの禁呪まじないと解ったんだ」
「この襟巻に禁呪まじないがあるんですよ」
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「なるほどそう言えばその通りだが、——近頃なんか、そんな禁呪まじない流行はやるのかも知れないよ。帰りにそれとはなしに、どんな人間が住んでいる家か訊いてみるがいい。如才もあるまいが、その家へ飛込んで訊いちゃちこわしだよ」
「そいつは何のお禁呪まじないだ」
「それは何の禁呪まじないだ」