“端折”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はしょ60.6%
はしお9.7%
はしよ7.3%
はしょり4.2%
はしを3.6%
ばしょり3.0%
はしおり2.4%
ぱしょり1.8%
はしより1.2%
ばしょ1.2%
ぱしょ1.2%
はしをり0.6%
から0.6%
つまおり0.6%
はお0.6%
はしょっ0.6%
ぱしをり0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とひょいと立つと、端折はしょった太脛ふくらはぎつつましい見得みえものう、ト身を返して、背後うしろを見せて、つかつかと摺足すりあしして、奥のかたへ駈込みながら
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宗近君は脱いだ両袖をぐるぐると腰へ巻き付けると共に、毛脛けずねまつわる竪縞たてじますそをぐいと端折はしおって、同じく白縮緬しろちりめん周囲まわりに畳み込む。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
金之助は早くも立ち上がつて、主人の部屋の方へ飛んで行き、八五郎はもう一度、尻を端折はしよつて、濡れた押入にもぐり込みました。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
女中に職すぎるのが、こごんで、両膝で胸をおさえた。お端折はしょり下の水紅色に、絞りで千鳥を抜いたのが、ちらちらと打水に影を映した。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しごきの縮緬ちりめん裂いてたすき凛々敷りゝしくあやどり、ぞろりとしたるもすそ面倒と、クルリ端折はしをつてお花の水仕事、兼吉の母は彼方あちら向いてへつつひの下せゝりつゝあり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
袖なしの羽織を、ほかりと着込んで、腰に毛巾着けぎんちゃくのぞかせた……片手に網のついたびくを下げ、じんじん端折ばしょりの古足袋に、藁草履わらぞうり穿いている。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
端折はしおりを高くして小長こながい大小を落し差しにしてつか/\と来て物をもいわず花車の片方かた/\の手を一人が押える、一人は前から胸倉を押えた、一人は背後うしろから羽交責はがいぜめに組付こうとしたが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それで股引しり端折ぱしょり日和ひより下駄、古帽子や手拭の頬冠ほほかむり、太巻毛繻子の洋傘を杖にして、農閑の三、四月から続々上京、五人六人連れ立って都大路を練り歩く。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
しやがんでゐるまゝで振仰いだが、腰をあげて、端折はしより上げた着物の裾をおろすと、かぶつてゐた手拭を取つて輕く頭を下げた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
例のしま襯衣しゃつに、そのかすり単衣ひとえを着て、紺の小倉こくらの帯をぐるぐると巻きつけたが、じんじん端折ばしょりの空脛からずねに、草履ばきで帽はかぶらず。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昔健ちゃんのあすびに来てくれた時分にゃ、随分しり端折ぱしょりで、それこそ御釜おかまの御尻まで洗ったもんだが、今じゃとてもそんな元気はありゃしない。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
結びて手拭かぶたへ布子ぬのこすそ端折はしをり片手かたてふるびし岡持下げ足元輕く立歸る老婆らうばは長屋の糊賣のりうりお金營業仕舞て這入來はひりく姿すがた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どうもい心地が致しませんでしたが、お八代さんの顔付きが、生やさしい顔付では御座いませんので、余儀なく下駄を脱ぎまして、尻を端折からげまして、梯子を登り詰めますと
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
神官や僧侶の用いるもので形大きく立派なものであります。色に赤と黄と白とがあります。端折つまおりと呼ぶのは傘の端が下に折れているからであります。伝統が古いのを想わせます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
揉み手をしながら小奇麗こぎれいな若衆が這入って来た。新しい手拭浴衣を端折はおっている。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
馳附て馬道の氷屋を片ッぱしから尋ねました所が居無い又帰って能く聞くと—(荻)そう長たらしくては困るズッと端折はしょって/\
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
玉葱やキャベツの収穫時とりいれどきには、彼の小さな弟や妹たちまでしり端折ぱしをりをして裸足はだしで手伝ひに出かけた。玉葱を引抜いたり、キャベツをざるに入れて畑から納屋なやへ運んだりした。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)