“空脛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
からすね73.3%
からずね26.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
次にも又、一人の中年の侍が、捨身になって出て来たが、それは、空脛からすねを蹴られて、一同の中へ刀を抛って、仆れ込んだ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
最後に空脛からすねを二本、棒のようにどてらの真向うに突っ立てた時は、この娑婆気が最高潮に達した瞬間である。その瞬間に働く気はないかねと来た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
例のしま襯衣しゃつに、そのかすり単衣ひとえを着て、紺の小倉こくらの帯をぐるぐると巻きつけたが、じんじん端折ばしょりの空脛からずねに、草履ばきで帽はかぶらず。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
壁に添うて螺旋形の階段がある。短いズボンに空脛からずねをあらはした子供、前垂掛けでスリッパをはいた下女、松葉杖を手にした背蟲せむしの男なぞが、その階段を昇つたり降りたりしてゐる。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)