“空腹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くうふく30.0%
すきばら25.0%
すきはら13.0%
ひもじ11.0%
ひだる5.0%
すきっぱら3.0%
ひも3.0%
ひもじさ2.0%
ものほし1.0%
うえ1.0%
くふふく1.0%
すきつぱら1.0%
ひだるく1.0%
ひだるげ1.0%
ひもじい1.0%
ひもじう1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人ふたり空腹くうふく疲労つかれのために、もはや一歩いっぽうごくことができずに、おきほうをながめて、ぼんやりとかんばかりにしてっていました。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
空腹すきばらを抱いて、げっそりと落込むように、みぞの減った裏長屋の格子戸を開けた処へ、突当りの妾宅の柳の下から、ぞろぞろと長閑のどかそうに三人出た。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と/\が空腹すきはらに酒を飲んだやうなものでグデン/\に騒ぎ立つた挙句が嘔吐へどいて了うとヘタ/\に弱つて医者の厄介になると同様だ。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
倉地は割合に平気で受けて「困ったやつに見込まれたものだが、見込まれた以上はしかたがないから、空腹ひもじがらないだけの仕向けをしてやるがいい」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
雪女が寒いとぬかすと、火が火を熱い、水が水を冷い、貧乏人が空腹ひだるいと云うようなものだ。うぬが勝手の我ままだ。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
といった時、耳まであかく染まった。それなり襖の影へ消えました。私は一息に空腹すきっぱらへ飲んだのですが、それは茶ではないのです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人形といふのに何の無理があらう、皆は人形のやうに、したぱらを押へると、空腹ひもじさうな声を出しさうに思はれた。
此時は流石に私も肩の荷を下した様で、ホツと息をして莨に火を移すが、軽い空腹ひもじさと何と云ふ事の無い不満足の情が起つて来るので、大抵一本の莨を吸ひきらぬ中に帰準備かへりじたくをする。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「いやとよ大王。大王もしまこと空腹ものほしくて、食物かてを求め給ふならば、やつがれ好き獲物をまいらせん」「なに好き獲物とや。……そは何処いずこに持来りしぞ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
数馬は彼らの情によって空腹うえかわきとをたすことが出来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
願奉ると叮嚀ていねいに述ければ圍爐裡ゐろりはたに年頃卅六七とも見ゆる男の半面はんめん青髭あをひげはえ骨柄こつがらのみいやしからざるが火にあたりて居たりしが夫はさだめし難澁なんじふならん疾々とく/\此方こなたあがり給へ併し空腹くふふくとあればすぐに火にあたるよろしからず先々臺所だいどころへ行て食事しよくじいたし其火のへんより玉へといと慇懃ねんごろに申けるに吉兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まだ忌々いまいましさが残つて居たが、それも空腹すきつぱらには勝てず、足を緩めて、少し動悸が治まると、梅沢屋と云ふ休坂下やすみざかしたの蕎麦屋へ入つた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
頼んで來た夫故それゆゑ此樣こんなおそくなり其上空腹ひだるくもありモウ/\わきの下から冷汗ひやあせが出るはやく飯をくはせくれよと云ながら内へ這入はひり長兵衞を見てるさうにコレハと云しのみにて辭宜じぎをなせば長兵衞は苦笑にがわらひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
空腹ひだるげの心はくらきあなぐらに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
要心えうじん通越とほりこした臆病おくびやうところへ、かわくのは空腹ひもじいにまさるせつなさで、ひとつはそれがためにもつい出億劫でおつくふがるのがくせで。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
持ち出で傳吉が前に差し置きさぞやお空腹ひもじう候はん私し一人にて煮炊にたき致し候ゆゑいそぐとすれども時移ときうつりお待ち兼て在りしならん緩々ゆる/\あがりておやすみなされませと言ふものごしに愛敬あいきやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)