空腹すきっぱら)” の例文
といった時、耳まであかく染まった。それなり襖の影へ消えました。私は一息に空腹すきっぱらへ飲んだのですが、それは茶ではないのです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唖々子は時々長いあごをしゃくりながら、空腹すきっぱらに五、六杯引掛ひっかけたので、たちま微醺びくんを催した様子で
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
売るものが留守るすろうはずは無し、どうしているか知らねえが、それでも帰るに若干銭なにがしつかんでうちえるならまだしもというところを、銭に縁のあるものア欠片かけらも持たず空腹すきっぱらアかかえて
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)