“欠片”のいろいろな読み方と例文
旧字:缺片
読み方割合
かけら86.4%
かけ13.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は昼間階下したの暗いのにいて二階へあがつて来て居る子供等が、紙片かみきれ玩具おもちや欠片かけら一つを落してあつても、
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「そうだ、そうだ。いい事をした。——畜生、もう一度出て見やがれ。あたまの皿ア打挫ぶっくじいて、欠片かけらにバタをつけて一口だい。」
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一日の仕事を終えた工場では、四五人の従業員が、ラムネの瓶を箱詰にしたり、割れたガラスの欠片かけらを、竹箒で、掃き集めたりしている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
それを一瞬の間に、くつがえしてしまうような、怖ろしい力が現われたとき、人は不可抗とだけで、悔いの欠片かけらも残さずケロリと断念あきらめてしまうものである。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
雲一つない鋼鉄色はがねいろの空には、鎗の穂よりも鋭い星が無数にきらめいて、降つて来る光が、氷り果てた雪路の処々を、鏡の欠片かけらを散らかした様に照して居た。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
たけしい、さがしい、冷たい、氷の欠片かけのような厳しい光の眼であった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
目もすまにみつつくろき冬の土玻璃の欠片かけすら光りかへさず
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
寒月子の図も成りければ、もとのところに帰り、この塚より土器の欠片かけなど出したる事を耳にせざりしやと問えば、そのようなることも聞きたるおぼえあり、なお氷雨塚はここより少しばかり南へ行きたる処の道の東側なる商家のうしろに二ツほどありという。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)