“かけら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
破片49.0%
欠片17.6%
6.9%
砕片5.9%
缺片4.9%
断片2.9%
斷片2.9%
2.0%
2.0%
塊片1.0%
(他:5)4.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はえ破片かけらを運んでいる人夫であるから、邪魔になってはいけないと思ったので、権兵衛は体を片寄せて往こうとした。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
町をひたす切な若々しい色彩の氾濫も、引潮の夜、思いがけぬ屋根の下でそれ等千代紙の破片かけらがもみくしゃになることも。
町の展望 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「皿を壁へ叩きつけてね、そのまた欠片かけらをカスタネットの代りにしてね、指から血の出るのもかまわずにね、……」
カルメン (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
割れた欠片かけらを、拾いあつめ、また、手車を押して歩きながら、彼は人中ののわるさと、憤りに血を熱くして、
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、僅に残っている良心どころか良心らしいものは、かけらさえ残っていない。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
が、僅に残つてゐる良心どころか良心らしいものは、かけらさへ残つてゐない。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
あるひは私の拾ひ得たものは瓦と石の砕片かけらで、さうして他に貴重なものがこぼれてゐたと言つた方が適当かも知れないのである。
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
結氷の砕片かけらが生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体からだを見せて流れていた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「……何んですか。——ああ。レコードの缺片かけらじゃありませんか。これが、一体どうしたと言うんですか?」
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
雲一つない鋼鐵色の空には、鎗の穗先よりも鋭い星が無數に燦いて、降つて來る光が、凍り果てた雪路の處々を、鏡の缺片かけらを散らした樣に照して居た。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
金では、人の心の愛情の断片かけらをさえ、買い得ないことを告白している。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
金では、人の心の愛情の断片かけらをさへ、買ひ得ないことを告白してゐる。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
來たのは花辨はなびらか 白い雲の斷片かけら
したがけに、山鳥やまどりいた蜃氣樓しんきろうごと白壁造しらかべづくり屋根やねいしさへ群青ぐんじやういは斷片かけららす。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はない畜生ちくしやうだ、とこゝろから、石段いしだんれたかけらひろつて
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぐるりとその両側、雨戸を開けて、沓脱くつぬぎのまわり、縁の下をのぞいて、念のため引返して、また便所はばかりの中まで探したが、光るものは火屋ほやかけらも落ちてはいません。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いはかけら藻屑もくづとともに、くもよりちつとおぼしきが、たすけをぶか諸手もろてげて
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
昌黎しやうれいいろはげましてしかつていはく、かくごときは、そも/\如何いかなることぞと、うばつてこれれば、しな有平糖あるへいたうかけらごとくにして、あらず、うつくしきもゝ花片はなびらなり。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
にかわを溶いた摺鉢すりばちだの、得体えたいの知れない液体を入れた壺だの、藁灰わらばいを入れた桶だの、そのほかはかりとか、刃物とか、硫黄いおう塊片かけらとか
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ホ、ホ、ホ、ホ、と笑ったはずみに、手にかかえていた包の中から一枚の小皿が落ちて砕け、お蝶の足元へ玉虫色の小片かけらを散らしました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せめては此の室の中で窓の隙から日の光の差す辺へでも坐らせて置き度いと思い、手を取って引くと、オヤ其の手に麺麭ぱんかけらを持って居る。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
先生はびっくりして、余の手を遮り「何をなさる、何を成さる」と叫んだけれど後の祭りだ、顔形は極もろい蝋の細工ゆえ、早や床の上で粉微塵に砕けて了った、余は猶も飽き足らず先生の手を振り払って顔形のかけらを粉々に踏み砕いた
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
其の頃は其の谷川の上手の山から石を切り出して居たので、切石の屑片かけらが川の底に転って居てお浦は運悪く其の角を踏んで辷ったのだ、何でも足の裏を一寸ほども切った、其の傷が生長してまで残って居たのみか、足が育つと共に創の痕も育ち
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
沖の波に似た白雲の片々かけらが風に流れて、紺深く澄み入つた空の片辺に、まつたく忘れられたものゝやうに懸つてゐる。
岬の端 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)