“藁灰”の読み方と例文
読み方割合
わらばい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水も空も秋でなくては出ないあおさを出していた。赤蜻蛉あかとんぼが今日は高くにいて藁灰わらばいのように太陽のおもをかすめている。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火鉢には一塊の炭が燃え尽して、柔らかい白い灰は上の藁灰わらばいの圧力にたえかねて音もせずに落ち込んでしまった。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
火鉢には新しい藁灰わらばいなどが入れられて、机の端には猪口ちょく蓋物ふたものがおかれてあった。笹村は夜が更けると、ほんの三、四杯だけれど、時々酒を飲みたくなるのが癖であった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)