こがらし
またひとしきり強いのが西の方から鳴って来て、黒く枯れた紅葉を机の前のガラス障子になぐり付けて裏の藪を押し倒すようにして過ぎ去った。草も木も軒も障子も心から寒そうな身慄をした。ちょうど哀れをしらぬ征服者が蹄のあとに残して行く戦者の最後の息であ …