“掌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てのひら45.4%
29.1%
たなごころ9.3%
たなそこ5.6%
つかさど4.0%
ひら1.9%
たなごゝろ1.4%
たなぞこ1.3%
タナソコ0.4%
こぶし0.3%
たなひら0.3%
0.3%
つかさ0.2%
0.1%
0.1%
たなこごろ0.1%
たなごごろ0.1%
てて0.1%
0.1%
パーム0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
背嚢ルックザックから乾麺麭かんパンの包みを取りだすと、てのひらの中でこなごなにくだき、たいへん熟練したやりかたでつばといっしょに飲みにしてしまう。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
設けられてある主人のしとねに坐るまえに、彼は、神榊みさかきの下に坐して、両手をつかえ、また退って、次の間の仏壇へもうでてをあわせた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「誅戮などと云う怖ろしい世界が、御仏のたなごころの中にあろうとは思われませんでした。私は推摩居士が悲し気に叫ぶ声を聴いたのです」
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
此君このきみにして此臣このしんあり、十萬石じふまんごく政治せいぢたなそこにぎりて富國強兵ふこくきやうへいもとひらきし、恩田杢おんだもくは、幸豐公ゆきとよぎみ活眼くわつがんにて、擢出ぬきんでられしひとにぞありける。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僧侶は、相互の契約によって、一切の霊界の仕事をつかさどり、そして俗人はその労働によって国家を富まし人口を繁殖せしめるのである1
手のひらをぽんとたたけば、おのずから降る幾億の富の、ちりの塵の末をめさして、生かして置くのが学者である、文士である、さては教師である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼等各〻と爪をもておのが胸を裂きたなごゝろをもておのが身を打てり、その叫びいと高ければ我は恐れて詩人によりそひき 四九—五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
足はきいろい皮から爪の先までが脳病の薬になるといって特別のスープに取るし、足の先のたなぞこの肉は支那料理で珍重する上等の御馳走だ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
中臣・藤原の遠祖が、天二上アメノフタカミに求めた天八井アメノヤヰの水を集めて、峰を流れ降り、岩にあたつて漲りタギつ川なのであらう。瀬音のする方に向いて、姫は、タナソコを合せた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
こぶしほどなるを三銭にうる、はじめは二三度賞味せしがのちには氷ともおもはざりき。およそ物のがたきはめづらしく、得易えやすきはめづらしからざるは人情にんじやうつねなり。
聖の御頭みつむりかすかに後光をはなち、差しのべたまへるふたつの御手の十の御指は皆輝きて、そのたなひらの雀子さへも光るばかりに喜び羽うち
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
・早う寝るとして寒い薬を
其中日記:07 (七) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
年々のナマハギに扮する青年がこれをつかさどり、他の府県にあって多くは形式化し遊戯化したものを、ここにはほぼもとの姿をもって、最近まで保存して置いてくれたのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
王「委細は先刻から承知の介だ、この少童を伴れ去って木を斫らすがよい、またこの人をるから鉄砲を持たせ」、豹殺し「父よ今こそ掌をって御礼をもうします」
然してその兄高田あげだを作らば、汝が命は下田くぼだつくりたまへ。その兄下田を作らば、汝が命は高田を營りたまへ一七。然したまはば、吾水をれば、三年の間にかならずその兄貧しくなりなむ。
平次の明察、たなこごろを指すようなのを聞いて、驚いたのは立会いの衆でした。
たなごごろに乗せて眺めるかと思うと今度はそれを叮嚀ていねいに、室の隅に片寄せてある三本脚の丸いテーブルの上に置いた。ウィリアムは又内懐へ手を入れて胸の隠しのうちから何か書付の様なものをつかみ出す。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ご機嫌さん。父ちゃんに抱っこして。ヨセフさん、坊やはあんたにそっくりだね。まあ、可愛いおててをして、この花びらのような口ったら。」
聖家族 (新字新仮名) / 小山清(著)
その手は、黒髪長き人を、横抱きにし、ひもか、ヒラと曳いていた色も、眼にとまらなかったほどである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてこの土堤に捨てられた角は、日数経て一パーム、もしくはそれ已上いじょう長き根を石だらけの荒地に下す事、草木にかわらず、他に例もなければ訳も別らず。