“掌”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
てのひら44.7%
29.6%
たなごころ9.3%
たなそこ5.8%
つかさど3.9%
ひら2.1%
たなごゝろ1.4%
たなぞこ1.2%
タナソコ0.4%
こぶし0.3%
(他:14)1.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——どうかして、座敷へ飛込とびこんで戸惑いするのをつかまえると、てのひらで暴れるから、このくらい、しみじみと雀の顔を見た事はない。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……あのてのひらの感触は熱かったのだろうか冷やりとしていたのだろうか……彼はオーバーのポケットに突込んでいる両手を内側に握り締めてみた。
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)
これに反して俺の方は、選手を抓み出す時から出来るだけソーッと抓んでてのひらに入れてソーッと下に置くのだから双方の元気に雲泥の相違がある。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
黒吉は葉子の汗ばんだ、指のつけ根がえくぼのように凹んでいる、柔らかいを、肩に感じると、胸には熱く息吹くくなくなとした乳房を受けた。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
はじめは、メディチのヴィナスのように、片手を乳の上に曲げ、他の伸ばしたほうのを、ふさふさとした三角形デルタ陰影かげの上に置いた。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
——を見ると掌にも血。——顔を撫でると顔にも血。ぬるい、ねばりのある液体が、りんのように体じゅうへねているのである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、軍扇ぐんせんかなめをもって、民部はたなごころを指すように、ここは何山、ここは何の陣法と、こまかに、みくだいて説明した。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お浜は畳んでいた小手を上げて、そのたなごころから、手首から、二の腕のところまで、真紅しんくの血痕が淋漓りんりとして漂うのを示しました。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、なお笑いやまず、自分が曹操の前で、玄徳と孔明を生捕って見せると大言したことも、これを見れば、もうたなごころにあるも同様だと云い足した。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう言う男の子のたなそこを見ると、キラリと小粒が一つ、お静の繁代は、半十郎に追われると知って、里の子に違った道を教えさしたのでしょう。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ひかり晃々きら/\きらめきはじめた……たなそこえだは、小刀こがたなかゞやくまゝに
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
予はあわただしく高津を呼びぬ。二人がたなそこ左右より、ミリヤアドの胸おさえたり。また一しきり、また一しきり大空をめぐる風の音。
誓之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僧侶は、相互の契約によって、一切の霊界の仕事をつかさどり、そして俗人はその労働によって国家を富まし人口を繁殖せしめるのである1
まして善人を賞し悪人をののしる講釈師、落語家、デロレンなどが教導職と称せられ、下層社会の教育をつかさどった観がある。
教育家の教育 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
主人岩崎氏を説いて文学雑誌『活文壇かつぶんだん』を発行せしめ、井上唖々と共に編輯へんしゅうのことをつかさどりぬ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかし手のひらに載せれば載せられるような小さい恰好かっこうをして、彼がそこいらじゅうい廻っていた当時を、私はまだ記憶している。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
チヨツ(舌打したうち)大きな体躯なりで、きたねえ手のあかを手のひらでぐる/\んで出せばくらゐ手柄てがらになる
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
手のひらをぽんとたたけば、おのずから降る幾億の富の、ちりの塵の末をめさして、生かして置くのが学者である、文士である、さては教師である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
横になつて、砂についた片肱かたひぢの、たなごゝろの上に頭を載せて、寄せくる浪の穗頭を、ズット斜に見渡すと、其起伏の樣が又一段と面白い。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『あゝ。明朝あすのあさまでつのですか。』と武村兵曹たけむらへいそうくちをむくつかせたが、たちまちポンとたなごゝろたゝいて
彼等各〻と爪をもておのが胸を裂きたなごゝろをもておのが身を打てり、その叫びいと高ければ我は恐れて詩人によりそひき 四九—五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
女はさすがに身を恥じて、二つの乳房をたなぞこに隠し、八方から投げかけられる視線を痛そうに受けてうずくまりました。
語り畢る時、老公はたなぞこを撫して、側に立ちて笑ひ居たる姫に向ひ、いかにをかしき話ならずやと宣給へり。
われはこれに退き入り、手に詩稾しかうりて、爪甲さうかふたなぞこを穿たんばかりに握りたり。
全身にこはゞつた筋が、僅かな響きを立てゝ、タナソコ・足の裏に到るまで、ひきつれを起しかけてゐるのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
拾うても/\、玉は皆、タナソコに置くと、粉の如く砕けて、吹きつける風に散る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
拾うても/\、玉は皆、タナソコに置くと、粉の如く碎けて、吹きつける風に散る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
こぶしほどなるを三銭にうる、はじめは二三度賞味せしがのちには氷ともおもはざりき。
こぶしほどなるを三銭にうる、はじめは二三度賞味せしがのちには氷ともおもはざりき。
丸官はこぶしを握った。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みどり児が力こめたるたなひらに一つにぎる小さきかやの実
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのたなひらの雀子さへも光るばかりに喜び羽うち
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのたなひらの雀子さへも光るばかりに喜び羽うち
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
可愛いには人形として観音像
行乞記:01 (一) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
・早う寝るとして寒い薬を
其中日記:07 (七) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
今は死ぬるばかりとを合せ
行乞記:12 広島・尾道 (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
しかも山の天然との断つべからざる連絡は、年々のナマハギに扮する青年がこれをつかさどり、他の府県にあって多くは形式化し遊戯化したものを、ここにはほぼもとの姿をもって、最近まで保存して置いてくれたのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その中にはただ古くからそう伝えているというにとどまるもの、ないしは祭をつかさどる神人たちの呼び名を呼ぶというだけのものもあろうが、ともかくも近世の神社台帳のごとく、いて「神代巻」の一つの神に持って行こうとしたものでないだけに、無統一もまた興味ある史料である。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
王「委細は先刻から承知の介だ、この少童を伴れ去って木を斫らすがよい、またこの人をるから鉄砲を持たせ」、豹殺し「父よ今こそ掌をって御礼をもうします」
然してその兄高田あげだを作らば、汝が命は下田くぼだつくりたまへ。その兄下田を作らば、汝が命は高田を營りたまへ一七。然したまはば、吾水をれば、三年の間にかならずその兄貧しくなりなむ。
平次の明察、たなこごろを指すようなのを聞いて、驚いたのは立会いの衆でした。
たなごごろに乗せて眺めるかと思うと今度はそれを叮嚀ていねいに、室の隅に片寄せてある三本脚の丸いテーブルの上に置いた。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その手は、黒髪長き人を、横抱きにし、ひもか、ヒラと曳いていた色も、眼にとまらなかったほどである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてこの土堤に捨てられた角は、日数経て一パーム、もしくはそれ已上いじょう長き根を石だらけの荒地に下す事、草木にかわらず、他に例もなければ訳も別らず。