“ひら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒラ
語句割合
21.4%
13.9%
13.0%
11.7%
11.3%
9.3%
3.4%
1.8%
1.6%
比良1.5%
(他:129)11.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんまり兼の笑い顔が恐ろしかったので……ひたい向疵むこうきずまでが左右にひらいて笑ったように見えたので……。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
コツリと柱で頭をッつけ、アイタアイタヽヽヽと寝惚眼ねぼけまなこをこすりながら戸をひらいて表へ立出たちいで、
当家こちらのお母堂様ふくろさまも御存じじゃった、親仁こういう事が大好きじゃ、ひら一番ひとつらせてくれ。
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「全体は、ひらったく地にはりついています。そしてところどころこぶのようにもりあがっていますね。みんなまっ黒こげですよ」
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
されど又情としてはげしく言ふを得ざるこの場の仕儀なり。貫一は打悩うちなやめるまゆしひひらかせつつ、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
訝りつゝもひらきて讀めば、とみの事にて預め知らするに由なかりしが、昨夜こゝに着せられし天方大臣に附きてわれも來たり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
けれども彼の見た細君の態度には、笑談じょうだんとも真面目まじめとも片のつかない或物がひらめく事がたびたびあった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先刻さっき郵便を出してから、神田を散歩して、電車を降りて家へ帰るまで、宗助の頭には小六の小の字もひらめかなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すこし行けばツウルウズ街道(仏蘭西国道)に出られる彼の宿の周囲には、その絵葉書に見るような牧場が行先にひらけていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
窓の向こうには夕闇の中に、中庭や破風や、ホテルから近い教会の奇妙な凸凹などの、絵画的な中世紀的な眺望がひらけていた。
梅三爺うめぞうじいの、一坪四銭五厘でひらく開墾区域は、谷のせせらぎに臨んで建った小屋の背後うしろから続いていた。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
そして科学の仕上仕事は前者の人によっても出来るであろうが、本統に新しい科学の分野をひらく人は後者の型ではなかろうか。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
また、もうひらかれて、謙信のなして来た戦が、何を志し、何を意義しているものかを、初めてはっきりさとり得た。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かかる無用の事を聞かせて異種殊俗の民に侮慢の念を生ぜしめ、かなえの軽重を問わるるの緒をひらいた例少なからず。
兼ねてその機関からくりを作りたるもの故すなわち栓ありてひらけず、ついに人に捕えらると、ここを以て智不智を撰ぶとぞ。
此間に生きて、我々の文化生活の第一歩をひらいてくれた祖先の全体、其を主に、感情の側から視ようとするのである。
万葉びとの生活 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
突然みにくく顔を歪めたやうに想像されると、小腰をかがめ、両手のひらにがつしりと顔を覆ひ、恐らくは劇しい叫喚をあげながら
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「おや、左の手のひらに、かなりの傷があるやうだが、昨夜ゆふべお吉とやらと喧嘩をしたとき、血は流さなかつたのか」
つたえ聞いて、近郷の比良ひら焼津やいづ、そのほかの山家などから、お味方にと、山へ馳せのぼって来る郷士らも多かった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敦賀ノ津からは、陸路近江に入って、はや比良ひら比叡ひえいを望み、京の口へはもう一歩と、ほっとしたのが九月末。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小さな鶏卵たまごの、軽くかどを取ってひらめて、薄漆うすうるしを掛けたような、つややかな堅い実である。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
イタリアでもっとも貴ばるるチュベール・マグナツムは疣なく、形ザッと蜜柑みかんの皮を剥いだ跡で嚢の潰れぬ程度にひらめたようだ。
背筋せすじの通った黄なひらが中へ中へと抱き合って、真中に大切なものを守護するごとく、こんもりと丸くなったのもある。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我はかの飾れる精氣より、さきにわれらとともにかしこに止まれる凱旋がいせんの水氣ひらをなして昇るを見たり 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
我邦では四国、九州の暖地山中に自生の木があって一重咲きの白花をひらくが、人家栽植の品には花色に種々あり花形に大小がある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
後には密樹みつじゆ声々せいせいの鳥呼び、前には幽草ゆうそう歩々ほほの花をひらき、いよいよのぼれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まどはなふすまひらけるゆふべ紫陽花あぢさゐはな花片はなびら一枚ひとつづゝ
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「飯を、飯を!」とをんなしつして、と奥の間の紙門ふすまひらけば、何ぞ図らん燈火ともしびの前に人の影在り。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
牢獄も詩人は之を辞せず、碧空も詩人は之を遠しとせず、天地は一の美術なり、詩人なくんば誰れか能く斯の妙機をひらきて、之を人間に語らんか。
万物の声と詩人 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
だから、人生を論じ、自然を説いて、微をひらき、幽をひらく頭はあっても、目前で青二才の私が軽蔑しているのが、先生にはついに見えなかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
おれのはもっとずっと上流の北上きたかみ川から遠くの東の山地まで見はらせるやうにあの小桜山の下の新らしくひらいた広い畑を云ったんだ。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
もともとこの病院が、武蔵野特有の雑木林の中に、新しくひらかれて建てられたものであるため、人里離れた広漠たる面影が、まだ取り残されてゐた。
間木老人 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
周囲あたりには大薮があるばかりで、その他は展開ひらけた耕地であり、耕地には人影は見えなかった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
眼の前に展開ひらかれた洞窟いわやさまは別に奇もなく不思議もない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
われは此一ひらの紙を手にとりしこと幾度なるを知らねど、いつも評語をのみ讀みつれば、アヌンチヤタの事を書ける雜報あるには心付かざりしなり。
我見しに、かの光の奧には、あまねく宇宙にひらとなりて分れ散るもの集り合ひ、愛によりてひとつまきつゞられゐたり 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その眼は強く広くひらかれていたが、眼前にかくも怖ろしいものがあるにもかかわらず、いつものように病的な、膜までかかったような暗さは見られなかった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
夫人はここにおいてぱっちりと眼をひらけり。気もたしかになりけん、声はりんとして、
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鳥羽伏見で、敵方に錦旗がひらめくと同時に、味方の足が浮いていつとなく総崩れとなり、淀の堤を退去したとき、彼はいつの間にか味方の諸隊と離れていた。
乱世 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
裾をひらめかすと燃え立つ蹴出しだ、火焔が立つかと思ったが、弁天松代ちゃアんと乗った。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
眼界濶然かつぜんとして目黒にひらけ、大崎に伸び、伊皿子いさらごかけて一渡り麻布あざぶを望む。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
而して再びその暗がひらけた時、汽車は既に故郷の殘影である燈火の群から遠くはしつてゐた。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
だから、人生を論じ、自然を説いて、微をひらき、幽をひらく頭はあっても、目前で青二才の私が軽蔑しているのが、先生にはついに見えなかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
鶴見少年にも思想らしいものが、内からこうひらいてぐんでいる。そこに見られるのは不満の穎割葉かいわればである。かれはいつのまにか生意気になってきた。
ひらめく暖簾のれんに招きの声、ゾロゾロ通る人の足音、それに加えて三味線の音、太鼓の音などもきこえてくる。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「豪い!」といいさま、小紋縮緬こもんちりめんで裏が緞子どんすおなじく薄ッぺらな羽織をひらりとねて、お納戸地の帯にぐいとさした扇子を抜いて、とんと置くと、ずっと寄って、紙幣を請取り、
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その美しい眼を大きくひらきながら、努めて何気なく云はうとしたが、その言葉には、何となく、あるこだはりがあるやうに思はれた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
弱いものいうたら、しみしんしゃくもさしゃらず……毛をむしる、腹を抜く、背をひらく……串刺くしざしじゃ、ししびしおじゃ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二千余町歩の大樹林にて、その内にひらだにとて、熊野植物の模範品多く生ぜる八十町長しという幽谷あり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
或時は村童さとのこらかれて、大路おおじあだし犬と争ひ、或時は撲犬師いぬころしに襲はれて、藪蔭やぶかげに危き命をひらふ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その代り轉軫の部分から胴の部分に入つて、堅田の鼻を一と𢌞りして遙に北に眼を放つと、水面忽ちひらけ雲煙蒼茫として際涯を知らない。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
なんとなく気宇がひらけて愉快なものです
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やがて燈火あかりったひとがわせて、はかひらかうとやしゃるやいな、御主人ごしゅじんけんかしゃれました。
モン長 このふる爭端さうたんをば何者なにものあたらしうひらきをったか? をひよ、おぬしは最初はじめからそばにゐたか?
白糸は帯の間より白縮緬ちりめん袱紗ふくさ包みを取り出だせり。ひらけば一束の紙幣を紙包みにしたるなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さ、そのしらッこい、あぶらののった双ももを放さっしゃれ。けだものは背中に、鳥は腹に肉があるという事いの。腹からかっしゃるか、それとも背からひらくかの、」と何と
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぞうわずらい、腹腑ふくふを腐らしたような重病人も、麻肺湯まはいとうを飲ますと、須臾しゅゆの間に昏睡して、仮死の状態になります由で、すなわち彼は、とうをとって、腹を解剖ひら
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五臓六腑も解剖ひらけば見えます。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
材木のいかだは、堀の中にも、水が見えないほど浮いていた。そこから二、三町先のはずれはもう海で、闇の中に、うしおの白いひらめきだけしか見えはしない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)