“みひら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミヒラ
語句割合
61.5%
15.4%
見開5.5%
三片4.4%
2.2%
睜開2.2%
視開2.2%
1.1%
三平等1.1%
展開1.1%
看開1.1%
1.1%
開張1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、ぱっちりした、うるみのある、涼しい目を、心持俯目ふしめながら、大きくみひらいて、こっちに立った一帆の顔を、向うからじっと見た。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
広くみひらいた瞳の中から、彼女の感情が皆んな消えて行ってしまったように、無表情な彼女の顔。白々しい仮面のような彼女の顔。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
茶色ちゃいろかみをかぶったようなおとこ人形にんぎょうで、それをかせばをつぶり、こせばぱっちりと可愛かわい見開みひらいた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ころは春のすえということは庭の桜がほとんど散り尽して、色褪いろあせた花弁はなびらこずえに残ってたのが、若葉のひまからホロ/\と一片ひとひら三片みひら落つるさまを今も判然はっきりおもいだすことが出来るので知れます。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
が、両手を後手に縛られた義兄は、姉と同じように絞殺されたと見えみひらいた眼に死際の苦悶を見せながら、もう全身は冷たくなりかけて居ました。
ある抗議書 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
或夜文一郎はふとめて、かたわらしている女を見ると、一眼いちがんを大きく睜開みひらいて眠っている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
忿怒ふんどの面火玉のごとくし逆釣ったる目を一段視開みひらき、畜生、のっそり、くたばれ、と大喝すれば十兵衛驚き、振り向く途端にまっ向より岩も裂けよと打ち下すは
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かく言ひつつ彼は艶々つやつやあからみたる鉢割はちわれの広き額の陰に小く点せる金壺眼かねつぼまなこ心快こころよげにみひらきて、妻が例の如く外套がいとうぬがするままに立てり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼等は皆過去の十一箇月をあだに送りて、一秒のちりの積める弐千余円の大金を何処いづくにか振落し、後悔のしりに立ちて今更に血眼ちまなこみひらき、草を分け、瓦をおこしても、その行方ゆくへを尋ねんと為るにあらざるなし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
三山の遺臣はなお三平等みひら(三ツの行政区画)に割拠して調和しなかったのであります。語を換えて言えば、政治的に統一された沖縄はまだ宗教的(すなわち精神的)に統一されなかったのであります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
あるかぎり展開みひらかれた麥畑をの色にして、岡を越え、河に絶たれては打ちつづく桃の花の眺めは、紅霞こうかといふ文字はこれから出て、此野を吹く風が
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
いつしか眼が曇り両人ふたりの顔がかすんで話声もやや遠くこもッて聞こえる……「なに、十円さ」と突然鼓膜こまくを破る昇の声におどろかされ、震え上る拍子ひょうしに眼を看開みひらいて、忙わしく両人ふたりの顔をうかがえば
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
大石に背をもたせて、両手に珠数をかけて合掌したまま、沈痛な表情で奥の天人像に向って端座しているのだ。年齢は五十五、六、左眼は失明していて、右眼だけをカッとみひらいている。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
きっと開張みひらき「オイ大原君、勝手道具位といって軽蔑けいべつしてはこまるぜ。僕のいわゆる勝手道具は文明流の家庭に用ゆべき勝手道具で野蛮風の勝手道具でないと」この言葉はほかの人に解し得ず。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)