“みは”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミハ
語句割合
42.6%
42.1%
見張5.3%
1.6%
1.2%
見晴0.9%
三葉0.7%
0.7%
視張0.7%
0.5%
0.5%
見果0.5%
見霽0.5%
0.2%
0.2%
御歯0.2%
監視0.2%
看張0.2%
瞠目0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
警戒0.2%
開瞳0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
気が違わぬから、声を出して人は呼ばれず、たすけを、人を、水をあこがれ求むる、瞳ばかりみはったが、すぐ、それさえもぼうとなる。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『まあ彼の方は!』と智惠子は少し驚いた樣に目をみはつた。それは富江の事を言つたのだが、靜子の方では、山内の事の樣に聞いた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかしこれもまた、長吉ちやうきちには近所の店先みせさき人目ひとめこと/″\く自分ばかりを見張みはつてるやうに思はれて、とても五分と長く立つてゐる事はできない。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
聞けば聞くほど、お種は驚愕おどろきの眼をみはった。夫が彼女のもので無くなったばかりでなく、嫁まで彼女のものでは無くなりかけて来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
泉原の周囲まわりの人々は一斉に振返って、奇声をあげた小さな日本人を不思議そうにみはっている。泉原は突嗟とっさの間に雑沓ざっとうの間を縫ってM駅行の切符をった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
やまへいくときと、反対はんたいみちをいって、隣村となりむらにさしかかろうとするとうげつと、あたりに、をさえぎるなにものもなくて、見晴みはらしがひらけるのでした。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三葉みは散りて跡はかれ木や桐の苗 凡兆
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その武威に、その文化に、東洋の新興民族として、全世界の眼をみはらした日本人の化の皮は、その首都の名に於て、美事に引っ剥がされてしまったのであった。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
さう云つて余は、故意に仰山に眼を視張みはつたが、それ以上滝は何とも云はなかつた。巻煙草の後先きから立ち昇る色の違つた二条の煙りを彼は、いつまでも瞶めてゐた。
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
静子は、夫が免れた危険を想像するけで、可なり激しい感動に襲われたと見え、目をみはったまゝしばらくは物も云わなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
が、美奈子の乗つた九段両国行の電車が、三宅坂に止まつたとき、運転手台の方から、乗つて来る人を見たとき、美奈子は思はずその美しい目をみはつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ぬはし散るを見果みはてんかきつばた
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
皇神すめがみ見霽みはるかします青雲を今朝ぞうち開く此の産御聲うぶみこゑ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのあいだに、おいよは眼をみはらせて、今にも飛びかかりそうに詰めよる。
人狼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかるが故に天地の万象に対して新しき眼をみはるを得るに至ったのである。彼の受けし苦難、彼の抱きし希望、これが彼の天然観を変えたのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ゆく水のざれ言きかす神の笑まひ御歯みはあざやかに花の夜あけぬ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「どうやら私達を監視みはっているね」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
当今では孫兵衛が「ああ仲がよいのは仕合わせなようなものの、両方とも若い者同志だからそうでもない心得違いが有ッてはならぬから、お前が始終看張みはッていなくッてはなりませぬぜ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
というわたしをこの人はまだこどものように見てなにかと覚束ながる。たがいに眼を瞠目みはって、よくぞこのうき世の荒浪あらなみうるよと思う。
愛よ愛 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼は、私が部屋を間違えたような風を装って這入って行ったのにもかかわらず、私の顔を見ると、驚きとよろこびとの眼をみはりながら腰を上げた。
そして斯人このひと、今わたくしをみはっているこの立像のあるじは、かつて、わたくしのこの上もない心の友だったのです。陰惨事しげき今の時代には、そのなさけはまた是非わたくしに必要なものであったのです。
息の通わぬまで捧腹ほうふくさせ、むやみに酒をおごらせる事毎々だったが、それらは鬼が笑う来巳の年の新年号に「蛇の話」として出すから読者諸君は竜の眼をみはり蛇の鎌首を立てちたまえというのみ。
難船なんせん? それはなんですか、本船ほんせんにはえず海上かいじやう警戒みは當番たうばん水夫すゐふがあるです、あへ貴下きかはずらはすはづいです。』
「エッお梅さんが⁈」と村長は眼を開瞳みはった。そのはずで、梅子はほとんど富岡老人に従来これまで一言ひとことたりとも叱咤しかられたことはない。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)