“みまわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見廻43.0%
32.4%
見回6.3%
3.5%
見巡2.1%
見𢌞1.4%
三廻1.4%
1.4%
1.4%
視回1.4%
視廻0.7%
環視0.7%
四顧0.7%
回顧0.7%
巡廻0.7%
監督0.7%
0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鷲尾は礼を述べて赤ン坊を受取ると、いくらかラクになった気持で四辺あたり見廻みまわした。夜中ででもあるか、車内は眠ってる人が多かった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
そのままには帰らないで、溝伝いにちょうど戸外おもてに向った六畳の出窓の前へ来て、背後向うしろむきりかかって、前後あとさきみまわして、ぼんやりする。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宗助はどこへ行って、宜道ぎどうのいる所を教えて貰おうかと考えながら、誰も通らない路の真中に立って四方を見回みまわした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もすそすらすら入りざま、ぴたと襖を立籠たてこめて、へや中央なかばに進み寄り、愁然しゅうぜんとして四辺あたりみまわし、坐りもやらず、おとがいを襟にうずみて悄然しょうぜんたる、お通のおもかげやつれたり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それゆえ友人に頼み、ついでの時に見巡みまわってもらったが、彼が墓所へ行ったつど、報告してくれるに、いつでもいつでも草はきれいにられ、周囲がすこぶる整然していると。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
わたくしすこまくらから頭部あたまもたげて、覚束おぼつかないつきをして、あちこち見𢌞みまわしたのでございます。
法壇を二廻ふたまわ三廻みまわり緋のはかまして輪に歩行あるいた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
微笑ほほえみながら、謙造は四辺あたりみまわ
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またもと境内けいだいの中央に立ちて、もの淋しくみまわしぬ。山の奥にも響くべくすさまじき音して堂の扉をとざす音しつ、げきとしてものも聞えずなりぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かくなることとは露知らざりしも、かくなる上はわれが殺せしと言わるるとも言い開くべきようなし、悲しいかなやんぬるかなと、彼は怨めしげに自身の手足を視回みまわしては太息し
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
尚お視廻みまわすと、壁は元来何色だったか分らんが、今の所では濁黒どすぐろい変な色で、一ヵ所くずれを取繕とりつくろったあとが目立って黄ろいたまを描いて、人魂ひとだまのように尾を曳いている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何時いつの間にか掃除したんだよ。それでも奇麗になったわ」、と雪江さんは部屋の中を視廻みまわしていたが、ふと片隅に積んであった私の荷物に目を留て、「貴方あなたの荷物って是れ?」と
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ト言い懸けて敢て言い詰めず、宛然さながら何か捜索さがしでもするように愕然がくぜんとして四辺あたり環視みまわした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ト言ったその声が未だ中有ちゅうう徘徊さまよッている内に、フト今年の春向島むこうじま観桜さくらみに往った時のお勢の姿を憶出し、どういう心計つもり蹶然むっくと起上り、キョロキョロと四辺あたり環視みまわして火入ひいれに眼をけたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さももったいらしくほとんど眉ぎわよりはえだした濃い縮れ髪を撫でて、鷹揚おうようにあたりを四顧みまわして、さてまたソッと帽子をかぶッて、大切な頭をかくしてしまった。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
足取も次第々々にゆるやかになって、ついには虫のう様になり、悄然しょんぼりこうべをうな垂れて二三町程も参ッた頃、不図ふと立止りて四辺あたり回顧みまわし、駭然がいぜんとして二足三足立戻ッて、トある横町へ曲り込んで
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
悪い奴が多いから、庭前にわさきの忍び廻りは遠山權六で、雨が降っても風が吹いても、嵐でも巡廻みまわるのでございます。天気のい時にも草鞋わらじ穿いて、お馬場口や藪の中を歩きます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
皆の仕事を監督みまわりかたがた、墨壺墨さし矩尺かねもって胸三寸にある切組を実物にする指図命令いいつけ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
路地を、行願寺の門の外までも出て、とおりの前後をみまわした。人通りも、もうなくなる。……釣には行つても、めつたにあけた事のない男だから、余計に気に懸けて帰りを待つのに。
夜釣 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第一要害がまるでわかりません。真中まんなかへ立ってあっちこっちみまわしただけで、今入って来た出口さえ分らなくなりましたほどです。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)