“まわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
53.9%
14.6%
7.6%
7.2%
3.3%
2.5%
2.1%
1.6%
0.8%
迂回0.8%
廻転0.8%
0.8%
𢌞0.6%
0.4%
回転0.4%
0.4%
迂廻0.4%
0.2%
0.2%
巡業0.2%
0.2%
0.2%
見巡0.2%
見廻0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕ハ僕ノ嫉妬カラソンナ風ニ気ガまわルノカト思ッテ、ソノ考エヲ努メテ打チ消シテイタノデアルガ、ヤハリソウデハナサソウデアル。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
もはや母の身のまわりには監視の眼もなく、草の庵の柴の戸ぼそは近づく者を拒まないで、誰に向っても開放されている筈であった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
所名ところな辻占つじうらも悪い。一条戻り橋まで来たときだった。供奉ぐぶの面々は急にながえを抑えて立ちどまった。いやしゃ二、み車をまわし初めた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしそのうちうちの外側を七分通りまわって、ちょうど台所の裏手に当っている背戸せどの井戸ばたまで来ると、草川巡査はピタリと足をめた。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今の宗助なら目をまわしかねない事々物々が、ことごとく壮快の二字を彼の額に焼き付けべく、その時は反射して来たのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いて居る千世子にとって自分のまわりをかこむ人が一人でもえると云う事が嬉しかったし又満足されない自分の友達と云うものに対しての気持を
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
或る貝殻は、まわり階段のやうになつて居り、或るものは大きな角を張り出して居り、又他の貝殻は嗅ぎ煙草入れのやうに開いたり閉ぢたりしてゐます。
昨夜も彼女は冬子に、「死んだらどうなるのか」とたずねたり、「何だか悪い病気が身体中にまわっているようだ」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
ハッと思う間も無くクルリとまわってバタリと倒れたが、すぐには起きもあがり得ないでまずつちに手をいて上半身を起して、見ると我が村の方はちょうど我が眼の前に在った。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
夜叉やしゃのように、介は、どてを目がけて飛んで行ったが、枯れ芦の沼がいちめんに、そこを隔てているので、遠く迂回まわらなければ、堤にはのぼれなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
素人でも今の通りなアイスクリームをモット早くモット上等に拵えようともえば毛布を蒙せないで茶筒の頭を片手ででも両手ででもグルグルと根気よく廻転まわすのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「驚いて氣をうしなつたらしい。傷は大したことぢやない。ねらひが外れて脇腹をかすられただけのことで、うみさへ持たなきや、二たまわりもすると癒るだらう」
「いそいであの水門に往つて、水で身體を洗つてその水門のがまの花粉を取つて、敷き散らしてその上にころが𢌞まわつたなら、お前の身はもとのはだのようにきつと治るだろう」
大根を切る時庖丁振りまわして立ち廻りの真似もしてみたろ、お菜の苦情言うてみたろ、叔父叔母はどんな顔するやろと思うのだったが、順平は実行しかねた。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
硝子鐘ガラスがねのなかに移して貰おう。それから、星宮君は、すぐ真空喞筒しんくうポンプ回転まわしてくれ給え
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
男は、どんよりと曇った朝、近傍きんぼうの川に釣に出かけた。青い水は足のところまで浮き上っていた。それを見詰めているうちにぐらぐらと眼がまわって来始めた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
それからかれこれ二月ばかりつと、今度は生垣いけがきを三尺ばかり開放あけさしてくれろ、そうすれば一々御門へ迂廻まわらんでも済むからと頼みに来た。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「——お不快なそうじゃが、だいじにせられい。いやなに、ってお目にかからいでもよろしい。拙者は、お預け申してある平家のまわものめを、調べて立ち帰る」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ではやはり、蔵人殿のご推察どおり、六波羅方のまわし者じゃな」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まわればまわられるものを、恐しさに度を失って、刺々とげとげの枝の中へ片足踏込ふんごんあせって藻掻もがいているところを、ヤッと一撃ひとうちに銃を叩落して、やたらづきに銃劔をグサと突刺つッさすと
割るようですけれど、死んだ人ですから構いません。いいえ、今度はじめて出て来たどころか、いままで何年となく、上方かみがたからあちこち巡業まわっていた人ですよ。わたしたちも、ずいぶん方々で会いましてございます。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
胡元朝の遺民陶宗儀とうそうぎの『輟耕録』四に、往々蒙古人雨をいのるを見るに、支那の方士が旗剣符訣等を用うると異なり、ただ石子数枚を浄水に浸し呪をて石子をゆりまわすと、やや久しくして雨ふる
青年わかものは恋をおもい、人の世を想い、治子を想い、沙漠を想い、ウォーシスを想い、想いは想いをつらねてまわり、深きかなしみより深き悲しみへと沈み入りぬ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
麹町の華族、小浜正道氏の門内に、ひたと犬の鳴きたるあり。番人幾たびも見巡まわりしが、何事も無くて夜は明けぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、母親ははおやおしえました。するとみんな一生懸命いっしょうけんめい、グワッ、グワッと真似まねをして、それから、あたりのあおおおきな見廻まわすのでした。
その筋へそっとまわ賄賂おくすりの金を工面していたらしい。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『五雑俎』にまた曰く壮士水碓みずぐるまを守りしが虎につかまれ上に坐らる、水碓飛ぶがごとくまわるを虎が見詰め居る内にその人甦った、手足おさえられて詮術せんすべない、ところが虎の陽物翹然にょっきり口に近きを見