“輾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きし47.4%
ころ15.8%
10.5%
きしり5.3%
ころが5.3%
てつ5.3%
5.3%
まろが5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きしる響せざるが故矢張初めの中は乗り心地よろしからず世の中段々いやなものが流行出したりと思いき。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『さうだらう、僕もさう思つてゐた。新聞記者といふ者はそれだから厭だよ。ころんでも只は起きない工夫ばかりしてる。』
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「今くこの水門みなとに往きて、水もちて汝が身を洗ひて、すなはちその水門のかまはなを取りて、敷き散して、その上にまろびなば、汝が身本のはだのごと、かならずえなむ」
だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠さしこめて、真直ますぐに長く東より西によこたはれる大道だいどうは掃きたるやうに物の影をとどめず、いとさびしくも往来ゆききの絶えたるに、例ならずしげ車輪くるまきしりは、あるひせはしかりし
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「いそいであの水門に往つて、水で身體を洗つてその水門のがまの花粉を取つて、敷き散らしてその上にころが𢌞まわつたなら、お前の身はもとのはだのようにきつと治るだろう」
『勿体なう御座ります。有難うて眼から涙が……一円もやらうと仰つては私の様な乞食でも、どうしても貰へませぬ』と竹籠を車に収めて車のてつに手をかけてひき出した。
車を宙にくごとし。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くづれたる家の傍、斷えたる水道の柱弓せりもちほとりを、夢心に過ぎゆけば、血の如く紅なる大月たいげつ地平線よりまろがり出で、輕く白きもや騎者のりてかうべめぐりてひらめき飛べり。