ころ)” の例文
『さうだらう、僕もさう思つてゐた。新聞記者といふ者はそれだから厭だよ。ころんでも只は起きない工夫ばかりしてる。』
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
まあ君あれを見給へ。そら、復浪が來た。馬がころぶぞ。そうら、……處が輾ばないんだ。矢張平氣で以て進んで來る。僕は今急に函館が好になつたよ。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
まあ君あれを見給へ。そら、復浪が来た。馬がころぶぞ。そうら、……処が輾ばないんだ。矢張平気で以て進んで来る。僕は今急に函館が好になつたよ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
どうだ、ソロソロ歸るとしよう。』と云ツて、楠野君は傍らに投げ出してあツた風呂敷を引張り寄せた。風呂敷の中から、大きい夏蜜柑が一つころげ出す。『アまだ一つ殘つて居ツた。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
どうだ、ソロソロ帰るとしよう。』と云ツて、楠野君は傍らに投げ出してあツた風呂敷を引張り寄せた。風呂敷の中から、大きな夏蜜柑が一つころげ出す。『アまだ一つ残ツて居たツた。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)