“輾転反側”の読み方と例文
読み方割合
てんてんはんそく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正月が来たけれど、喪中もちゅうだった。三日をヒッソリ暮して、四日の御用始めに出勤した小室君は俄に腹痛を催して、輾転反側てんてんはんそくした。
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
夫に対する愛と憎の輾転反側てんてんはんそくが伸子の心にまた力を盛りかえした。彼女はどこにいても苦しかった。それ故どこにか心の休憩所を欲して動きまわる。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
しかし、この救済は、いたずらにうろうろするだけで、ワナにかかった一方の貉の煩悶はんもんを救うことも、束縛を解放してやることもできないのです——二つ相抱いて周章狼狽、輾転反側てんてんはんそくしている。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)