“煩悶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はんもん95.5%
わづらひ1.2%
もだえ1.2%
わずらい0.8%
うめ0.4%
もしゃくしゃ0.4%
もしやくしや0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぜひお話ししたく存じますこともあるのでございますが、さてそれも申し上げられませんで煩悶をしております心をお察しください。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ロレ 冥加あらせたまへ! れぢゃ、早朝に、なつかしい聲音は? ほう、早起は、煩悶のある證據ぢゃ。
あるものは血の中に海の塩を交ぜてしづめがたい煩悶をもち、或るものの心にはたえず波が立ち、また或るものは家を捨ててさまよひ、さまよひ、一生を終る。
四つの市 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
私は今改めて自白する、私の千代子に対する恋は、ほとんど一年にわたる私の苦悩であった、煩悶であった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
と云うのは河中に転落したお客が船舟べりにつかまりら生命の危険なんかそっちのけにして、流れて行く一本の雨傘をとらえようとして手を延ばし焦心煩悶いていたからさ。
赤げっと 支那あちこち (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と自分が真実めし言葉をわざとごくごく軽うしてしもうて、どこまでも夫の分別に従うよう表面を粧うも、幾らか夫の腹の底にある煩悶いでやりたさよりの真実
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
幾許か夫の腹の底に在る煩悶いで遣りたさよりの真実
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)