“わずらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煩30.4%
累21.7%
患8.7%
煩悶8.7%
煩累8.7%
塵労4.3%
病4.3%
病患4.3%
病気4.3%
臥病4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老いたる親に思いもよらぬ煩(わずらい)をかけて先だつ身さえ不幸なるに、死しての後(のち)までかかる御手数をかけるは、何とも心苦しいが、何卒(なにとぞ)この金を以(もっ)て
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
一つは確かに「穢多」という文字が累(わずらい)をなして、世人から理由(わけ)を知らずにただ穢ないものだと盲信せられた結果でもある。
「エタ」名義考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
さくらんぼうはいう「こうやっていつまでも置かれてあの男の写生のモデルにされるのも宜(よ)いけれど、夜になると鼠(ねずみ)が怖くてね」枇杷は答える「美しいものは患(わずらい)が多いのですよ」
さくらんぼ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
御物語も深くなるにつけ、昨日の御心配も、明日の御煩悶(わずらい)も、すっかり忘れて御了いなすって、御二人の口唇(くちびる)には香油(においあぶら)を塗りましたよう、それからそれへと御話が滑(はず)みました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あのカラザースさまでも、どうしてあんな気味の悪い動物にちょっとでも御我慢のお出来になるはずがございましょう。しかししかし、もう私の煩累(わずらい)は、この土曜日で終りでございますわ。
しかし今から金持になるのは迂闊(うかつ)な彼に取ってもう遅かった。偉くなろうとすればまた色々な塵労(わずらい)が邪魔をした。その塵労の種をよくよく調べて見ると、やっぱり金のないのが大源因になっていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然し定基は何彼(なにか)と尋ねると、いずれ五位六位ほどの妻であろうか、夫の長い病(わずらい)の末か、或は何様いうかの事情の果にいたく窮乏して、如何ともし難くなって
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ところが、心あての身寄りも今はいず、旅宿住居(はたごずまい)のうえに、母も長い病患(わずらい)で亡くなる始末で、もう売る物とて何一つございません。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また後醍醐のきみとて、生身(なまみ)でおわすからには、不予(ふよ)のお病気(わずらい)や万一などもないとは限らん。そのたびには、尊氏を憎む者から、この尊氏はあらゆるむじつの疑いと悪逆の名をかぶせられよう。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いっそこのままなおらずに——すぐそのあとで臥病(わずらい)ましたのですよ——と思ったのですが、幸(しあわせ)か不幸(ふしあわせ)か病気はだんだんよくなりましてね。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)