“滑”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
すべ42.4%
なめ21.8%
なめら21.1%
なめらか9.0%
2.4%
こっ0.5%
のめ0.5%
ナメ0.5%
おど0.2%
すべっ0.2%
(他:6)1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“滑”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語30.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
まるでスケートをするかのように、あざやかに太った身体を前方にすべらせて、バナナの皮に一と目もれないばかりか
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼はその限られた世界の中をすべり歩いていたし、そうして、妻の病室へやって来る時、その世界はいちばん透きとおっていた。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
軌道の上をころがす所を、よそから見ていると、はなはだなめらかで軽快に走るが、実地に乗れば、胃に響けるほど揺れる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くようにえてゆくなめらかさが、秋草あきぐさうえにまでさかったその刹那せつな
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
が、一度近づいて見ては、そのなめらかな美しい肌の下に、ぱつちりとした黒味勝の眼の底の、温かい心を感ぜずには居られぬ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
百人が百人、感嘆の聲をあげたのも無理はありません。白羽二重に紅を包んだやうな、なめらかな美しい肌に、彫りも彫つたり、
そうして、そのなめらかな水面を、陽気な太鼓の音、笛の、三味線の音がしらみのようにむずかゆく刺している。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
水は右岸の岩壁の裾を横なぐりに深くえぐっているので、なめらかな壁面の上部は円天井のように狭い河身を掩うている。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
やさしく咽喉のどべり込む長いあごを奥へ引いて、上眼に小野さんの姿をながめた小夜子は、変る眼鏡を見た。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、時折り牡山羊は檻から外へべり出て、菜園の霜柱をピョンピョン踏みつぶしながら、表の通りへ逃げ出してゆくことがある。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
さて、二人の男が料理屋へ入ったのを見て、私はどうしたかといいますと、これが小説だと、その料理屋の女中にいくらか握らせて、二人の隣の部屋へ案内してもらい、ふすまに耳をあてて話し声でも聞く処なんでしょうが、こっけいですね、私はその時料理屋へ上る丈けの持合せがなかったのですよ。
盗難 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そうだ。だから、まるきり兄きに対する疑いがはれた訳ではないのだ。それに、母親にしたって、疑っていいのか、どうか、はっきりは分らない。妙なことには、母親は母親で、また、たれかを疑っているのだ。まるで、いたちごっこだ。こっけいな意味でではなく、何ともいえぬものすごい意味で。
疑惑 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
このとき私は壁の隅に犬ののめり込んでいるのを見た。犬は無理にそこから逃げ路を見つけようとするように、からだを壁に押しつけているので、わたしは近寄って呼んだ。
「お庭は随分お広うござんすから、夜の景色は中々よろしゅうございましょう、しかし貴方、アノ窓は普通なみの窓よりほど低く出来ていますから、馴れない方がウッカリ凭懸よりかかると、前の方にのめる事がありますよ。これまでにも随分ウッカリして転げちた方が幾人もあります」と聞きもあえず
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
花底クワテイナメラカニ
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその語原はナメりカズラの意で、サは発語、ナは滑りであるといわれ、このサナカズラが音転してサネカズラとなったとのことであるが、私はその解釈がはなはだややこしく、かつむつかしく、そしてシックリ頭に来なく感ずる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と、言葉尻が泣声で切れて、ひょいとねるように両袖で顔を隠した。何だかおどけたように見えつつも、私はひしと胸を打たれる。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
少し紅味あかみを帯びた、白い、すべっこそうな、柔かそうな腕が、時とすると二の腕まであらわれて、も少し持上もちゃげたら腋の下が見えそうだと、気を揉んでいるうち
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
英吉利イギリス人の大外套、手籠を持った馬耳塞マルセイユ人——それぞれクッションのバネのすべらかな動揺につれて、ひっきりなしに飛びあがりながら眠りこけているうちに、漫然と介在した若い男女の東洋人
適度の無精髭を蓄えて、ゆったりとした厚地の服に、洗濯の行き届いた縞シャツを着て、始終ネクタイをゆるく横っちょにらかし加減にして、百姓持ちの様な大きな煙管を銜えることにした。
山母はこれはたいへんだと水がめからね上がって外へ走り出ようとすると、踏み台のベゴの糞でずらのめってステンところんだ。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
御物語も深くなるにつけ、昨日の御心配も、明日の御煩悶わずらいも、すっかり忘れて御了いなすって、御二人の口唇くちびるには香油においあぶらを塗りましたよう、それからそれへと御話がはずみました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あんまり不思議なので上衣のポケットに両手を突込んでみると、右手には新しい四ツ折のハンカチと鼻紙、左手には幾何いくら這入っているかわからないが、やわらかに膨らんだ小さな蟇口がまぐちさわった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ニレとは元来ヌレの意で、その樹の内皮が粘滑であるからかくいわれる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)