“なめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナメ
語句割合
65.4%
17.3%
4.5%
3.2%
無礼2.6%
2.6%
無禮1.9%
0.6%
接吻0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最初はプリプリしていた鉄も、平次の心持が解ると次第に打ち解けて、晩酌ばんしゃくを付合いながら、なめらかに話すようになっていたのです。
使える部分を自分の工夫の中へなめし取って、世の中にないものを創り出して行こうとする静かで足取りの確かな生活は幸福だった。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「何でえ、支倉が何でえ。あんな野郎になめられてこの俺様が黙って引込んでられるけえ。さあ来い。うむ、支倉が何でえ」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
如何どういうものだか、内でお祖母ばあさんがなめるようにして可愛がって呉れるが、一向嬉しくない。かえっ蒼蠅うるさくなって、出るなとめる袖の下を潜って外へ駈出す。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
君はとしの頃三十年みそぢにやおはすらん。姿形など取立ててしるし置かんもいと無礼なめなれど、我が思ふ所のままをかくになん。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
年老としとった興行師の一人は、禿げた頭を虎の口元へ持って往って、なめらしたり、ひげをひっ張ってみたり、虎の体の下へもぐって往って、前肢まえあしの間から首を出してみたり、そうかと思うと
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ベルナルドオは祭の王のよしなき戲を無禮なめしといきどほり、そのまゝ樓を走り降りてむちうち懲らさばやといひしを、樂長はのひと/″\と共になだめ止むるほどに
詩経しきやうには男子だんししやうとし、或は六雄将軍りくゆうしやうぐんの名をたるも義獣ぎじうなればなるべし。なつしよくをもとむるのほか山蟻やまあり掌中てのひら擦着すりつけふゆ蔵蟄あなごもりにはこれをなめうゑしのぐ。
「それぢやあ接吻なめさせるけえ? おめえらみんな接吻なめてやらあ!……」
よしや此恋諏訪すわうみの氷より堅くとも春風のぼや/\と説きやわらげ、凝りたるおもいを水に流さし、後々の故障なき様にせではと田原は笑顔えがおあやしく作り上唇うわくちびるしばなめながら、それは一々至極の御道理
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
〔凝リテ花ヲ成サザルハ霿淞ニ異ナリ/著来シテ物物おのオノ容ヲ異ニス/柳条ハ脆滑ニシテ蓴油ノゴトクなめラカナリ/松葉ハ晶瑩ニシテ蛛網ノゴトクヅ/氷柱四檐繖角ニ垂レ/真珠万点裘茸ニ結ブ/詩人何ゾ管セン休徴ノ事/奇景ノアタリニ驚ク老イニ至リテ逢フトハ〕あんズルニ曾南豊そうなんほうノ集中ニ霿淞むしょうノ詩アリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)