なめ)” の例文
最初は唐辛のはじなめても辛いといった人が後には一本食べても平気になります。そうなると身体に毒で強壮な人でも種々の弊害を惹起ひきおこします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「何でえ、支倉が何でえ。あんな野郎になめられてこの俺様が黙って引込んでられるけえ。さあ来い。うむ、支倉が何でえ」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
双方のびやかにお茶をなめてお菓子を嗅いで眼や口を細くして語り合いながら、お互いの鼻同志はとっくに気がさし合ってウンザリしている。いい加減シビレが切れたところで
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
澳より近く寄するを見れば十丈ばかりの蜈蚣で上は□□に光り左右の眼(?)は赤く光る、上から来るは同じ長さほどの臥長ふしたけ一抱えばかりな蛇が舌なめずりして向い合うた、蛇
捨てこそ有なれと思ふも果敢はかなき小女氣むすめぎなり彼の一しやう苦勞くらうは他人によりさうの玉手千人まくらし一てんくちびる萬客になめらるゝと云ふつらつとめの其中の心の底を打明て語るお方は唯一人と小夜衣がまこと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
乙「歩行かち新宿の裏から出しアがッたんだ、今貸座敷をなめてアがるんだ」
やっぱり一粒か二粒ずつたべては、お汁をすこしずつなめるばかりです。豚吉は初めのうちは我慢してジッと待っておりましたけれども、とうとう我慢しきれなくて冷かし初めました。
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
「髑髏を被告に突つけてなめて見ろと云ったではないか」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)