“未嘗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いまだかつて73.3%
いまだかつ26.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは、邸内に妙見みょうけん大菩薩があって、その神前の水吹石みずふきいしと云う石が、火災のあるごとに水を吹くので、未嘗いまだかつて、焼けたと云う事のない屋敷である。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
元来僕は何ごとにも執着しふぢやくの乏しい性質である。就中なかんづく蒐集しうしふと云ふことには小学校にかよつてゐた頃、昆虫の標本へうほんを集めた以外に未嘗いまだかつて熱中したことはない。
蒐書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしどの国のどの部落も、未嘗いまだかつて彼の足をとどめさせるには足らなかった。それらは皆名こそ変っていたが、そこに住んでいる民の心は、高天原の国と同じ事であった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
現實げんじつことまつた貴方あなたにはわからんのです、貴方あなた未嘗いまだかつくるしんだこといのですから。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)