“苦”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
にが42.5%
くる21.5%
くるし14.2%
9.9%
3.9%
くるしみ2.8%
ぐる0.8%
あっ0.6%
いぢ0.6%
0.5%
(他:18)2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“苦”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)11.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.8%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
自分は、それを堀木ごとき者に指摘せられ、屈辱に似たにがさを感ずると共に、淫売婦と遊ぶ事にも、にわかに興が覚めました。
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
肉の方は、いくらでも御用に立てるが、酒の方はかけ換えがないから、それを見つけ出された惣太はにがかおをしました。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼等かれら到底たうていつちくるしみとほさねばならぬ運命うんめいつてるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
代助はくるしいので、何返なんべんせきつて、うしろの廊下へて、せまそらを仰いだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
更に耳をすまして窺うと、声は一人ひとりでない、すくなくも二人ふたり以上の人が倒れてくるしんでいるらしい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その意志のある処を知るにくるしむ、などと、※紅をさして、蚯蚓みみずまでも突附けて、意見? を問われるには恐れている。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
拵えものをにせらるるよりも、活きているとしか思えぬ人間や、自然としか思えぬ脚色を拵える方を苦心したら、どうだろう。
田山花袋君に答う (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なにおどろかせるがるしさに結局つまりいはねばならぬこと今日けふまでもだまつてりしなり
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
松島のがり切つたる容子ようすに、山木は気の毒顔に口を開きつ「——実は、閣下、其れも矢張篠田の奸策で御座りまする」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と署長は呟いた。途端にその背後で例のエヘンという咳払いが聞えたので、署長は急にむしを噛みつぶしたような顔になった。
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)
棄てられてゐながらその愛されてゐる妾よりは、責任も重く、苦労も多く、くるしみばかりでたのしみは無いと謂つて可い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
随分それまでにもかれこれと年季を増して、二年あまりの地獄のくるしみがフイになっている上へ、もう切迫せっぱと二十円。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おききぐるしいてんるべく発表はっぴょうなさらぬようくれぐれもおたのみしてきます……。
その前夜ぜんや私常よりも一層眠りぐるしく、ほとほとと一睡の夢も結びかねて明かせしにさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ことに老人の傷処きずしょあらため見ればのどを一突にて深く刺れ「あっ」とも云わずに死せしとこそ思わるれ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
矢や銃弾もあたらばこそ、轟然ごうぜん一射、銃声の、雲を破りて響くと同時に、尉官はあっと叫ぶと見えし、お通がまげを両手につかみて、両々動かざるもの十分時
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうでせう、省吾の奴も君の御厄介に成つてるが、彼様あんな風で物に成りませうか。もう少許すこし活溌だと好いがねえ。どうも女のやうな気分の奴で、泣易くて困る。平素しよツちゆう弟にいぢめられ通しだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
全くは私に御飽きなされたのでこうもしたら出てゆくか、ああもしたら離縁をと言ひ出すかといぢめて苦めて苦め抜くので御座りましよ、御父様も御母様もわたしの性分は御存じ、よしや良人が芸者狂ひなさらうとも
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
買いたるは手品師にて、観世物みせものはりつけにするなりき。身体からだは利かでもし、やりにて突く時、手と足もがきて、と苦痛の声絞らするまでなれば。これにぞ銀六の泣きしなる。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
、痛、ほんとにくいついたな。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほんものゝ病氣と言ふのが可笑しかつたか、平次と笹野新三郎は顏を見合せてにんがりとしました。
阿星右太五郎はこんな途方もないことを、にんがりともせずに言つてのけます。
あゝ萬の罪人にまさりて幸なく生れし民、語るもつらき處に止まる者等よ、汝等は世にて羊または山羊やぎなりしならば猶善かりしなるべし 一三—一五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この同じ屋根の下に旦那様と御二人で御暮しなさるのは、それほどつらいと御思召すのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ここに伊耶那岐の命、ももりたまはく、「いまし、吾を助けしがごと、葦原の中つ國にあらゆるうつしき青人草一九の、き瀬に落ちて、患惚たしなまむ時に助けてよ」とのりたまひて、意富加牟豆美おほかむづみの命といふ名を賜ひき。
吾とは何ぞや⦅What am I ?⦆なんちょう馬鹿な問を発して自からくるしむものがあるが到底知れないことは如何いかにしても知れるもんでない、とこう言って嘲笑ちょうしょうらした人があります。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
郢人那得苦追尋 郢人えいひとなんしきり追尋ついじんするを得ん(『景徳伝燈録』巻七大梅法常章)
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
革命の先覚者たるかの如くに振舞ふ彼女の暴状を見よ、にがにがしいことだ。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「ハハハハハ、お前を前に置いてはちと言いにくい話だがナ。実はあの猪口は、むかしおれが若かった時分、アア、今思えば古い、古い、アアもう二十年も前のことだ。おれが思っていた女があったが、ハハハハ、どうもちッと馬鹿ばからしいようで真面目まじめでは話せないが。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「のう、又左。女は古い遺恨とてなかなか忘れおらぬとみゆる。よく、おぬしを借り物にして飲みに出たことを、まだ、今のように申す。……ははは、御内儀、お湯加減はよろしかったが、ちと、にごうござったぞ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にんがりする御家人喜六、右手のやいばは、油斷なく灯にギラリとうねります。
林「是は云えません、が悪うてとてもはや冗談は云えませんなうして中々ちま/\としてえて、かてえ気性でござえますから、冗談は云えましねえよ、旦那様がお留主るすの時などは、とっともうねがえ顔をして居なせえまして、うっかり冗談も云えませんよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この我がおしえおぼえて決してそむくことなかれとねんごろにいましめ諭して現世このよりければ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
弟とはいへ奇怪なり、貧しくなりて苦むも皆自らの心がらぞ、この度だけは十万銭を例のごとくに与ふべけれど以後は来るとも与ふまじきぞ、能く心して生活なりわいの道を治めよ、とねんごろに説き示しければ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
唯懐ただおもひき人に寄せて、形見こそあだならず書斎の壁に掛けたる半身像は、彼女かのをんなが十九の春の色をねんごろ手写しゆしやして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ルヤ、キミ断食ダンジキクルシキトキニハ、カノ偽善者ギゼンシャゴトカナシキ面容オモモチヲスナ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
愛執のニガき赤痣を醸すなり
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)