“にが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ニガ
語句割合
89.0%
4.5%
3.6%
苦味1.8%
0.3%
嬰子0.3%
似描0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして未練というものは微かであっても堪えがたいほどににがい……。清逸はふとこの間読み終ったレ・ミゼラブルを思いだしていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
すると中々なか/\はなさない。どうか、うかはせて仕舞ふ。ときには談判中に号鐘ベルつて取りにがす事もある。与次郎はこれときあらずと号してゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あはれ、殊勝な法師や、捨身しゃしん水行すいぎょうしゅすると思へば、あし折伏おれふ枯草かれくさの中にかご一個ひとつ差置さしおいた。が、こいにがしたびくでもなく、草をしろでもない。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
多年の食道楽くいどうらくのために病的過敏となった舌の先で、苦味にがいともからいともすっぱいとも、到底一言ひとことではいい現し方のないこの奇妙な食物のあじわいを吟味して楽しむにつけ
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかる事は持前なれども表へ出ては口のきける大屋に非ずことに寄たら當人へもらしてにがすも知れざれば彦兵衞殿の家主八右衞門殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おのれもにがさぬぞとげん八へ突掛つきかゝるに源八はおもひも寄ぬことなればおどろ周章あわてみぎの手をいだして刄物はもの挈取もぎとらんとせし處を切先きつさきふかく二のうで突貫つきとほされヤアと躊躇たちろく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はよう内さ行くべし。われ嬰子にがはおっぬべえぞ。赤痢さとッつかれただ」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「笠井の四国猿めが、嬰子にが事殺しただ。殺しただあ」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その似描にがきを持つてゐらつしやることは、あなたを慰めるでせうか、それともきずつけるでせうか? 仰しやつて下さいまし。
恒雄はにがい表情をして遠くの方を見つめた。
囚われ (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)