“ごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゴト
語句割合
41.1%
23.6%
21.7%
5.3%
4.7%
1.8%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
五斗0.1%
五蠧0.1%
度毎0.1%
模様0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
Kさんのその時分じぶんうたに、わがはしやぎし心は晩秋ばんしう蔓草つるくさごとくから/\と空鳴からなりするといふやうなこゝろがあつたやうにおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
商人は、なにしろはだの下まで雪がしみとおっていたので、かまわずの火でからだをかわかしながら、ひとりごとのようにいいました。
牛乳とか玉子とか草花の束ねたのとかを停車場ステエシヨンごとに女が賣りに來る。私の机の上にも古い鑵に水を入れて差された鈴蘭の花があつた。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
けれども自分じぶんでそれをやったおぼえはございませぬ。きょうとはちがって東国とうごく大体だいたい武張ぶばったあそごと流行はやったものでございますから……。
夏目先生は書のふくを見ると、独りごとのように「旭窓きょくそうだね」と云った。落款らっかんはなるほど旭窓外史きょくそうがいしだった。自分は先生にこう云った。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
天下てんか(一一)重器ちようき王者わうしや(一二)大統たいとう天下てんかつたふるかくごときのかたきをしめしたるなりしかるに(一三)ものいは
年が寄ると何かと心細うなッて困いますよ——武どん、おまえからだを大事にしての、病気をせんごとしてくれんとないませんぞ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ここにおいて黒雲おおい闇夜のごとし、白雨はくう降り車軸のごとし、竜天にのぼりわずかに尾見ゆ、ついに太虚に入りて晴天と為る
で、こんな時には久しく手をふれてみない八雲ごとでも弾いてみようかと、おりんに琴台とよぶ小机を出させて、それに白い指をまろばせてみる。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大日本日高見ひたかみの国、国々に伝はるありとある歌諺うたことわざ、又其旧辞そのもとつごと、第一には、中臣の氏の神語り、藤原の家の古物語、多くの語りごとを絶えては考へ継ぐ如く、語り進んでは途切れ勝ちに、呪々のろ/\しく
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
のかはり、昨日きのふ下百姓したびやくしやうからをさめました、玄麥くろむぎ五斗ごとござんしたね、驢馬ろば病氣びやうきをしてます、代驢磨麺贖罪ろにかはつてめんをましつみをあがなはしめん」とふ。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとあるひ其書そのしよつたへてしんいたる。秦王しんわう孤憤こふん五蠧ごとしよいはく、『嗟乎ああ寡人くわじん此人このひとこれあそぶをば、すともうらみじ』と。李斯りしいはく、『韓非かんぴあらはすところしよなり』と。しんつてきふかんむ。
進藤も石が一つ殖える度毎ごとに嬉しそうに眼を細くしてニコニコして見せるので、意地にも顔を歪める訳に行かん。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
濡れ手を拭き拭き私を物蔭に呼びまして「二十歳はたちにもなっとるけん間違いはなかろうが、まだ帰らぬ模様ごとあるけん、そこいらまで見に行ってくれまいか」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
我好古のまなこもて視るときは、是れ猶いにしへのリリス河にして、其水は蘆荻ろてき叢間の黄濁流をなし、敗將マリウスが殘忍なるズルラに追躡ついせふせられて身を此岸に濳めしも、きのふごとくぞおもはるゝ。
むのは好きな父の又右衛門またえもんがあるので、独り稽古のそらごとを、垣の外ゆく人へいたずらに聴かすのとはちがって、茶をたてるにも、張合いはあるし、それに、朝のしずかな生活と
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今のお歌のもとごとを申しあげませう。此はお聞き知りにならぬ昔語りで御座る。だが、姫様にも深いかゝはりのあることえ。心を静めてお聴きにならねばなりませぬ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)