ごと)” の例文
「金釵換尽長安酒。儘許夫君酔似泥。」〔金釵換ヘ尽ス長安ノ酒ニ/儘ク許ス夫君ノ酔ヒテ泥ノごとキヲ〕の如き詩句に言尽されている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ここにおいて黒雲おおい闇夜のごとし、白雨はくう降り車軸のごとし、竜天にのぼりわずかに尾見ゆ、ついに太虚に入りて晴天と為る
左に推させ、と右へ、捻ぢ回したる打擂すまひ本手てなみに、さしもたけたる須本太牛は、おぞ頑童わらべ放下ほかさるる猪児ゐのこごと地響ぢひびきして摚と仰反り倒れけり——と描写している。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
シテ酒家ニ付セ使メズ/老後功名古暦ノ如シ/酔来顔色唐花ノごとシ/東風料峭トシテ天街遠ク/やまいシテタ下沢車ニル〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その時の作七言古詩の末句に「水波四囲似蜃楼。脱衣槃礴曲欄下。蘋風颯颯六月秋。早涼於我千金重。」〔水波四囲シテ蜃楼ノごとク/脱衣槃礴ス曲欄ノもと/蘋風颯颯タリ六月ノ秋/早涼ハ我ニ於テ千金ノ重ミ〕と言っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)