“似合”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にあ55.2%
にあは11.9%
にあひ7.5%
にあわ7.5%
にあい4.5%
ふさ4.5%
にお3.0%
たと1.5%
にあふ1.5%
につか1.5%
にわ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふいとつて、「一所いつしよな。」で、とほりて、みぎ濱野屋はまのやで、御自分ごじぶん、めい/\に似合にあふやうにお見立みたくだすつたものであつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うつくしきかほ似合にあはぬはこゝろ小學校通せうがくかうがよひに紫袱紗むらさきふくさつゐにせしころ年上としうへ生徒せいと喧嘩いさかひまけて無念むねんこぶしにぎときおなじやうになみだちて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まあ、えゝ、すつかり。いよ/\殘念ですわねえ。あの墨のくまどり程あなたのお顏にお似合にあひになるものつて、御座いませんことよ。」
老人の住居すまいは、噂に聞いた身分に似合にあわしからぬ川向うのP町で、同じように立並んだ古びた四階建の、とある二階の全体を間借りしていた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
実際じっさいまたいずれの時代じだいをさがしても、この御二人おふたりほどお似合にあい配偶めおとはめったにありそうにもございませぬ。
私にはその方が似合ふさわしいからといわれますので、おりおりは出詠しました。最初の題は故郷薄ふるさとすすき初雁はつかりというのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
昔風のそうろうずくめの手紙なら巻紙に筆で書くのがよう似合におうとるけど、言文一致にゃ西洋紙にペンを
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
似合たとい議論すればといっても、ほんとうに顔をあからめて如何どうあっても勝たなければならぬと云う議論をしたことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
れいなにといひかぬるを、よう似合にあふのうとわらひながら、雪灯ぼんぼりにして立出たちいでたまへば、蝋燭ろうそくいつか三ぶんの一ほどにりて、軒端のきばたかがらしのかぜ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほんの七、八日、長くても十日ぐらいのつもりで家を出て、母も心配し切っているし、そうそう学校を休んで遊んでいるというのも、ふだんのお前にも似合につかわしからぬこと。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
「ど、どっこい、そうはゆかないよ。見かけに似合にわわず、太い先生だ。これが欲しければ、約束どおり、あれを実験して見せろ。よく話をしてあったはずじゃないか」
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)