“にお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ニオ
語句割合
48.7%
22.5%
22.3%
2.6%
2.0%
0.6%
似合0.4%
0.4%
丹尾0.2%
0.2%
荷負0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よい香りは、村の後ろの高い山の方からにおってきました。爺さんは天狗鼻をうそうそさせながら、山の奥へ奥へと登って行きました。
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「名産だって東京にもそんなのは有りそうだぜ」と主人は一番大きな奴を一本取り上げて、鼻の先へ持って行ってにおいをかいで見る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『女だってそのくらいな楽しみがなけりゃ仕様がない』そう云って、舶来はくらいのいいにおいのする煙草を買って来ては彼女に吸わせました。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
日奈久の温泉宿で川上眉山かわかみびざん著「にお浮巣うきす」というのを読んだ事などがスケッチの絵からわかる。浴場の絵には女の裸体がある。
亮の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
さっき「何をあやまるのだい」と云って笑った時から、ほんのりと赤くにおった頬のあたりをまだ微笑ほほえみの影が去らずにいる。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
自分のはだに手を触れて、心臓むねをしつかとおさへた折から、芬々ぷんぷんとしてにおつたのは、たちばな音信おとずれか、あらず、仏壇のこう名残なごりか、あらず、ともすれば風につれて、随所
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「よう似合におてるわ」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
そこには人間性の善い、純な、朗らかな、恵みににおうた相が、私たちの前にいとも尊く置かれてある。そしてそれは私たちの歪める、悪しき、曇れる心を、恥じしめずにはおかない。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
その丹尾におらしい男は、前から三番目の席に坐っていた。坊中からいっしょだったのか、草千里から乗って来たのか、よく判らない。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
水道の敷設がえでもあるのか深く掘り返した黒土が道幅の半分にもりあげられて、やみを照らしたカンテラの油煙が臭いにおいをみなぎらしている。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
すなわち平包ひらづつみの布の二隅ふたすみ引出ひきだして、これをひものかわりにして背に負うもので、これは両腕の上部に力の半分を持たせるから、今までの荷負においのように手を自由に使うことができない。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)