“かほ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カホ
語句割合
52.4%
15.0%
14.2%
5.2%
容貌2.6%
花圃2.1%
1.7%
0.9%
0.9%
嘉穂0.9%
顔貌0.4%
容姿0.4%
容子0.4%
果報0.4%
0.4%
面相0.4%
顏面0.4%
顔色0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしやうやくほつとしたこころもちになつて、卷煙草まきたばこをつけながら、はじめものうまぶたをあげて、まへせきこしおろしてゐた小娘こむすめかほを一べつした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
この行甚だ楽しからず、蒼海約して未だ来らず、老侠客のかほ未だみえず、くはふるに魚なく肉なく、徒らに浴室内に老女の喧囂けんがうを聞くのみ。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
またうしてられる……じつ一刻いつこくはやく、娑婆しやば連出つれだすために、おまへかほたらばとき! だんりるなぞは間弛まだるツこい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小男は我を顧みて、氣輕なる女なり、されどかほは醜からず、さは思ひ給はずやといふに、我はまことにおほせの如く、めでたき姿なりと讚めたゝへき。
をとこをんな法師はふしわらは容貌かほよきがきぞとは色好いろごのみのことなりけん杉原すぎはららうばるゝひとおもざしきよらかに擧止優雅けにくからずたがても美男びなんぞとゆればこそは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
門をあけると、大きな鈴が、ガラン、ガランと大声を立てる仕掛けになっていて、夫人の花圃かほ女史がまず顔を出す。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
こめし櫻山めぐふもとに風かほる時は卯月うづきの末の空花の藤枝ふぢえだはや過て岡部に續く宇都うつの山つたの細道十團子とほだんご夢かうつゝにも人にもあはぬ宇都の谷と彼の能因のういんが昔を今にふりも變らぬ梅若葉鞠子まりこの宿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此上のねがひには此くろかみをそりこぼして玉はれかし、あな悲哉かなしやとて、かほに袖をあてゝさめ/″\となきけり。
四四ふところのたまをうばはれ、挿頭かざしの花を四五嵐にさそはれしおもひ、泣くに涙なく、叫ぶに声なく、あまりに嘆かせたまふままに、火にき、土にはうむる事をもせで、四六かほに臉をもたせ
その顔は時と共にだんだんくつきりと浮き出して、じつと彼に向つて両眼を凝らしてゐる。その顔貌かほには、眉にも眼にも口許にも、何一つ魔法使には見覚えがない。
その不思議な見知らぬ顔は、雲の中から、やはりじつと彼を見詰めてゐる。やがて雲が消えると、その見知らぬ顔貌かほは一際はつきりして、その鋭いまなざしを魔法使から離さなかつた。
汝は誰やし老女をみなぞ、何すれど参来つると問はしければ、赤猪子まをしけらく、その年その月に天皇の命を被りて今日まで大命を仰ぎ待ちて、八十歳を経にけり、今は容姿かほすでに老いて更に恃みなし。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
立派にいふて除けるつもりなりしも、涙の玉ははらはらはら、ハツト驚くお糸の容子かほに、前刻せんこくより注意しゐたる義父は、これも堪へず張上げたる声を曇らし
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
たう/\わらべ、まつどきなたん、果報かほ時のなたん、いそのぼれ、御祭おまつりよすらに
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
父母これを嘆きてひそかにはかるは、一九あはれよき人の女子むすめかほよきをめとりて二〇あはせなば、かれが身もおのづからをさまりなんとて、あまねく国中くになかをもとむるに、幸に媒氏なかうどありていふ。
その頭部に見える物凄い面相かほは、柱頭のつもりで、柱身の上に載せられた、彫刻の假面めんのやうであつた。
「さうでござんすね」勘次かんじはぐつたりと俛首うなだれて言辭ことばしりきとれぬほどであつた。ふかうれひ顏面かほしわつよきざんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
愚さの故でもあらう、汗ばんだ、生き甲斐のない顔色かほが少許色ばんで、鈍い眼も輝いて来た。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
パリス (廟の前へ進みて)なつかしいはな我妹子わぎもこはなこの新床にひどこうへいて……あゝ、天蓋てんがいいし土塊つちくれ……そのいた草花くさはな夜毎よごとかほみづそゝがう。しそれがきたなら、なげきにしぼわしなみだを。
知らぬものは真の文雅ぶんがとおもひ、とひよるさへも多ければ、たちま諸国しよこくにもそのの名をかほらせ、枝葉えだはさかえ、それのみか、根堅ねがた名園めいゑんのこして年々ねん/\繁昌はんじやう、なみ/\の智恵ちゑ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)