“かおつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
顔色41.2%
顔付27.2%
面付9.6%
顔附4.4%
容貌3.5%
表情2.6%
面相1.8%
顔貌1.8%
相貌1.8%
面色1.8%
面貌1.8%
顔容1.8%
貌付0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五六日経(た)つと大津定二郎は黒田の娘と結婚の約が成ったという噂が立った。これを聞いた者の多くは首を傾けて意外という顔色(かおつき)をした。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
名を兵蔵といって脊の高い眉の濃い、いつも鬱(ふさ)いだ顔付(かおつき)をして物を言わぬ男である。彼の妻は小柄の、饒舌(しゃべ)る女で、眼尻が吊上っていた。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
都合よくエライ親父かエライ亭主に取当ったのを自慢にして、ほかの女とは身分が違うような面付(かおつき)をしている……その根性がイヤなんだ。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただハインツェルマン氏だけは、無味な事務的な顔附(かおつき)で、さらに弾き始める合図を待っていた。彼はクナアク先生の効果に対しては、もう無感覚になっているのである。
而して熟々(つくづく)と穏かな容貌(かおつき)が慕わしうなり、又自分も到底この先生のようではないけれど、やはり帰趨(きすう)なき、漂浪児であるという寂しい感(かんじ)になった。
「ほほほほ」お宮は莫蓮者(ばくれんもの)らしい妖艶(ようえん)な表情(かおつき)をして意味ありそうに笑った。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
愕然(がくぜん)として文三が、夢の覚めたような面相(かおつき)をしてキョロキョロと四辺(あたり)を環視(みま)わして見れば、何時(いつ)の間にか靖国(やすくに)神社の華表際(とりいぎわ)に鵠立(たたずん)でいる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そしてそれでも自然の作用で次第に悲しげな顔貌(かおつき)だけは調和させる事が出来たのだが、それも亦、息込みすぎた反射のハズミで莫迦莫迦しい程途方もない
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
この平凡な相貌(かおつき)は、そういえばキャンプのどこかに、交換船のどこかの隅に、たしかにいたような気がする。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「まったく、魚(うお)じゃ鯔(ぼら)の面色(かおつき)が瓜二つだよ。」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と自分の思わくとお浪の思わくとの異(ちが)っているのを悲む色を面(おもて)に現しつつ、正直にしかも剛情(ごうじょう)に云った。その面貌(かおつき)はまるで小児(こども)らしいところの無い、大人(おとな)びきった寂(さ)びきったものであった。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小野田が物を食べる時の様子や、笑うときの顔容(かおつき)などが、殊(こと)にそうであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いずれも釣(つる)しんぼうの苦患(くげん)を今に脱せぬ貌付(かおつき)。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)